[田中雅紀氏の連載マンガ]
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ドライブで秋景色を楽しむ
白山市「手取川峡谷


11月16日
 先週、東京に住む妹夫婦が金沢へ遊びにきて1週間ほどいたが、快晴の日をみてドライブに連れていつてくれた。ぶらぶらドライブではあるが、一応目的地を白山市の観光マップから「手取川峡谷」と選んで出発。車内は妹夫婦と私たち夫婦の4人。私の妻以外はみな70代で老人会のよう。ハンドルを握るのは妹の旦那さんで1番の年長だがバリバリ元気。運転も上手。

 途中紅葉した木々や白いススキの穂などの景色を楽しみながら鶴来の町へ入った。
ここは古い昔の情緒も残っている町と聞いていた私は1度は街中を歩いてみたいと思っていた。車で私鉄の鶴来駅から続くメイン通りを走ったが普通の街並みで、歩いてみたいとは思わなかった。
 ただ、NHKのテレビで人の名前に関したバラエティー番組があるが、以前そこで紹介されていた珍しい名前で「車多」さんを見つけて嬉しかった。店先に杉玉が吊られていて、造り酒屋だ。「車多酒造」が鶴来町にあることは酒好きの私は以前から知っていた。番組では「車多」の車は馬車や荷車の車ではなく水車の車だと解説していた。


 妹の旦那さんはメイン通りを通り抜けてから右へ迂回して再び駅前まで戻り、今度は左の山沿いの細道へ進んだ。古い町並みはここだった。板壁に格子戸の家並みが狭い道をはさんで両側に続いている。新しい家が1軒も見当たらないのが良い。左手に白山比咩神社(*)へ上がる表参道の登り口も見えた。

 鶴来を通り過ぎ、国道157号線を手取川上流に向かって走る。連なる山々はあかく色づいている。色分けで山裾にそって杉が植林された様子がはっきり分かった。吉野谷に入って間もなく右へ折れて不老橋を渡る。橋の下はもう手取川峡谷だった。車窓から下を覗くと深くて暗い谷が見えた。意外なほど狭い谷川だ。
 観光マップにはこの近くに「綿ヶ滝」という観光スポットがあるらしい。峡谷に流れ落ちる滝だ。不老橋を渡り少し行って左折し、少し行ってもう1度左折すると目の前が「綿ヶ滝」。滝を見るには谷底に向かって崖の険しい階段を降りなければならない。
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足がわるい私たち夫婦は上から木々の隙間の滝を見た。かなりの水量の滝で、勢いよく流れ落ちるのが見えた。崖下で間近に滝を観た妹夫婦はその迫力を堪能したらしく「いいもの観た!!」と大満足だった。谷底で見ると「綿ヶ滝」の他にもう2つ滝があったという。この文を書くにあたり後から調べたことなのだが、手取川峡谷は全長8キロにわたって高さ20~30メートルの絶壁が続くとある。ということは「綿ヶ滝」は少なくとも20メートルの高さがあるようだ。
 普通、峡谷というと山奥の谷と想像するが、このあたりの峡谷は谷沿いだけ木々に囲われてはいるが両側は平地で田畑が広がっている。だからこの崖下に高さ20メートルの滝があるとは別世界を見るようで誰もが驚くだろう。


 この後峡谷を離れて白峰村や手取川ダムを観たが、全部紹介したら長くなるので省略。ドライブは来た道を帰るより福井県へ回って帰った方が近いのでは、ということで白峰から山越えして福井県の勝山へ抜けた。山を下りて勝山へ入ってすぐ大きな水車があって「米かち水車」の看板。鶴来の「車多酒造」の水車はこれだったのだ。福井で国道8号線に乗り、そのまま走って無事金沢へ。紅葉も美しかったし楽しいドライブでした。

 今日は11月16日。金沢では初アラレ。寒い。先週の暖かさは嘘のようです。
 田中雅紀   



(*注:田中さんの思い違いで、文面から「金剱宮」かと思われます。また車多酒造ではなく小堀酒造かな。鶴来町、ヤン・フートさんが町自体を”美術館に見立てた?”イベントの頃からは、大通りなどはすっかり様変わりし残念す。虫人)

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ブリ起こし」にしては季節がやや早いけど、ゴロゴロ雷がなり続けてます。

今冬の雷で、”雷で作品づくり”をしている東間章記(Akinori TOWMA)氏は、NYから一時帰国して郷里の能登で作品をつくる、と言ってましたが…。2年ぶりに顔が見れるのかなあ…? 
中田むしんど



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ロジャー Roger TURNER のスペ滝・滞在記3

日本が好きなんだあ

11月13日
「一を知って 十を悟る(=悟っていただく)」体ていの会話が、私とロジャーの英会話といっていい。日常会話レベルを超えれば、キーワードの単語のみが先立って、私はきちっとした表現ができない。時々禅問答に似るが、巧みに語って間違った言い回しをするよりましな気はする。ロジャーは聞き上手なのだから。

 食事中、小バエが一匹飛んだ。三人が捕まえようとしたが捕まえられない。「サムライ…」と私が口にした時、すかさずロジャーは刀を上段に構えてそれを二つに切り下ろすジェスチャーをした。「ノー」と言うと、今度は「祖母は素手で捕まえた」と大きな右手を横に払った。「ノー。キャッチ バイ バゲット(英語はチョップ・スティック)」と言って私は箸で捕えるまねをした。私の英語は時に仏語とのチャンポンになる。がロージャーには通ずる。『講談・塚原卜伝ぼくでん』などの話は当てにはならないので、私は「事実かどうか…」と加えたが、ロジャーは「あり得る」と言って満足そうにうなずいていた。その時ふと思った、彼は日本が好きなんだあ…と。
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ロンドンは住みよいか


今年6月に起きたロンドンの高層住宅(グレンフェル・タワー) の火災に話題を移した。ロジャーは近くに住んでいて、夜通し見ていたと聞いていたからだ。ビルの外壁は新しく奇麗に外装したばかりだが、中はチープ、と地方の行政に怒りをむけ腹立たしそうに長々説明した。80人が亡くなった、と彼は言った(11月16日警察発表70人と断定)。 

ロンドンは移民の流入で貧富の差が拡大し治安が悪くなっている。ロジャーは200国からの人々が居住していると言った(2017年10月現在国連加盟国は193)。かつての植民地政策の裏返し、しっぺ返しで、唯一の国際言語として定着した”英語の首都”の裏目に出た姿でもある。EU離脱の理由か?と訊けば、自分は反対だが、そうだと不満げにロジャーは答えた。

ここでの演奏の収録を、展示場から音吸収の良い居間に移した際、窓からの海を見たロジャーは「中田がロンドンに行き、自分はここに住む。チェンジ」と言った。「グッド・アイディア!」と受けておいて、折をみて、改めて日本に住みたいのか尋ねてみた。「マリ次第…だけれど」とトーンを落とした答えが返って来た。

ジョン・ケージの歌いっぷり


 マリさんは日本人で、彼とロンドンで暮らしている。今回のツアーでは体調を悪くし風邪気味で、金沢のホテルで休息していた。私は去年の金沢21美での演奏会場で初めて顔を見知っている。
実は、彼女の母上が、かのジョン・ケージと大学で一緒だった。ケージが歌唱を苦手としていて、こんな風だったとロジャーは”音痴っぷり”をまねしてみせたが、多分に創作だとは思う。ケージが生きていれば104歳、同級生だったとすれば義母もそんな歳で直接彼女から歌い方を聞いたかは疑わしい。

 *ジョン・ケージ:1912ー1992年 (79歳)米国ロサンゼルス生。音楽家、作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家。実験音楽家として、前衛芸術全体に影響を与え、独特の音楽論や表現によって、音楽の定義をひろげた。(by wikipedia)
「4分33秒」という弾かないピアノ演奏で知られる.(虫人)


 寝る前に、私が持っている鈴木大拙の英語講演CD(1958年)を聴き終えたロジャーは、「耳で見、目で聞く」という中世の禅僧の言葉(短歌)に注目し、話しかけて来た。さすがアーティスト。「それは一次元(One dimension*)だ、と私は思う」と応えたが、「一元論」と言ったつもりなのだから、これにはさすがのロジャーも困った様子で私の意をはかりかねていたが、やや置いて納得の表情はした。あとは彼の知性に任せる外はない(*一次元の「一」、正しくはOne…でなく1st…)。こんなとんでもない”禅問答”・珍問答でまことにスミマセンでした。

 ※耳に見て 眼に聞くならば 疑わじ
   おのずからなる 軒の玉水(大澄国師)
  

[耳で見る、目で聞くーーもしそれができるならば、軒から落ちる水の音がどんなにか自然に響くことだろう(日本語訳:重松宗育)]
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最後に真正面から、現代音楽とジョンケージと鈴木大拙のかかわりについて解説のある、専門家・柿沼敏江氏(京都市立芸大教授)「ジョン・ケージとピエール・ブーレーズ」記事のアドレスをご紹介して、この項を終えたいと思います。ありがとうございました。
(中田むしんど)
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 ■下リンク、ジョンケージと鈴木大拙のかかわりが具体的に書かれています。

「ジョン・ケージとピエール・ブーレーズ(6)」
ー偶然性の問題ー
http://tower.jp/article/feature/2012/03/5/cage_boulez/7
 

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11月11日(土)7時からはペンション・クルーズで投げ銭の「イソジン」です。天候は悪そうですが、ブルース・ハーモニカが聴けそう。ハンマーダルシマも。
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