小さな喫茶店の詩2「テーブル」
A poem at ”A little cafe" No2.
The table
by Gen SAKIMORI
小さな喫茶店に
大きなテーブルがあった
イラクのフセイン
アメリカのブッシュが
いくら大声で相手をなじっても
ほどよく聞こえる大きさのテーブル
同じように 僕が君に大声で叫んでも
声は君に届かない
なぜって 僕は心の中で叫んでいるから
出席者:司会者、女性A、男性B
ー こんかいもまたこりずにご感想を。詩読んでどうでした?
A フセインとかブッシュとかちょと古過ぎない?
B 確かに。でもイラクもアフガンもいまだに落ち着かない。
A 今はイランとイスラエル、またやるのかしら、戦争。
B この不景気だし、アメリカは戦争すると儲かるって国だと言うし…。
ー あのう、詩のほうは…?
A いいんじゃな~い? ねえ。
B うん。普通のテーブルでも大きく感じたり小さかったり。
A この詩人ってどんな人かしら。
ー としよりです。病気持ちです。
A バッカねえ! そんなことどうだっていいの、いずれみんなそうなんだから。
B 彼女が訊きたいのは経歴というか文学歴のことでしょう。
A たとえば貧困の中で酒に溺れながら放浪してたとか、ハンサムで女にもてたとか。
ー 聞いてませんけど…。名のある会社で定年までいて、シコシコ自費出版なんかして。
A なんだあ、普通なんだあ、つ・ま・ん・な・いーっ。
B しあわせなら、それが一番。でもそんな中でも、どこかに夢をみてる…文学だなあ。
A そうねえ…どっかにちょっとはましな男っていないもんかしらん。
男2人 !…。
(対談おわり)
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