小さな喫茶店の詩7「席」
A poem at ”A little cafe" No7.
(名古屋滞在時に5冊ほど作った詩集中の一部です)
Illustration by Mushid N.
My position
by Gen SAKIMORI
何時ものように
小さな喫茶店のドアを開け
かすれた声でコーヒーを頼み
自分の席を探すのだけど
心の揺れが現れて
どこに座っていいのか迷ってしまう
本当は君が見える席が一番良いのに
なぜだか一番隅っこに腰をかけ
ほぞをかみながらコーヒーを飲む
ふがいない自分
出席者:司会者、女性A、男性B
ー 何だか感想を聞きにくいような…
B でしょうねえ。これって詩かなあ…、告白日記みたい。
ー Aさんのご感想は?
A …。
B 聞くまでもない、ってことでしょう。
A ばあーか。かってに片思いしてろっての。
ー でもねえ、それぞれ身に覚えがあるからのお腹立ちかと…。
B ま、そんなところですか。懐かしくも辛気くさいモノです、恋ってのは。
A ばあーか。
B そうバカバカ言いなさんな、あんた自身が身に覚えのあることなんしょうが!?
A ………(声なく、口元のみが「ばあーか」)。
(対談おわり)
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