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夜明け前

夜明け前に目がさめた。このところでは珍しい。定置網船が還り、港に入って来たので、堤防から手を振ってみたら、気づいた知り合い漁師の山ちゃんが応えてくれた。遠目にもやや疲れていそうに見える。好きな仕事とはいえハードなのにちがいない。
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船を多くのカモメが跡を追うが、今朝はない。原因は漁獲種だった。スズキにフクラギ(小ブリ)や黒鯛が少し混ざるといった内容で、小魚はフグ以外は皆無。
これではカモメはおこぼれにあずかれない。スズキの群れはイワシを追って網に入り、食べ尽くしたのに違いない。
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それにしてもカモメは仲間たちとどう言うコミュニケーションをして集まったり知らんぷりをしたりするのか。蜂は蜜の在りかを、その羽ばたき形や回数で距離と方向を知らせると言うが、カモメはあのネコのような鳴き声で”カモメ語”を話して連絡しているのだろうか。
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虫の持つシンプルで機械的だが十分に機能する生理メカニズムと生態には感心するが、恐竜が先祖という鳥類の、表面無表情に見えても体温を感ずる生命様式にもかかわらず、人とは違う爬虫類的な違和感が不思議である。
人以外のほ乳類は、本能的でいながらも自然とは調和して、無理の無い生き方をしてるように見える。

高度な言語生活に依存する人類は、ついにコンピュータ言語のメカニズム論理が指向するメカニカルな文明に、再び虫の持つシンプルで機械的な生態機能性をも加味して、ソフトな脳とハードな言語メカニズムを組み合わせた今までとは違う未来人類像を形づくることになるのだろうか。

そうならば、原点復帰的に循環・サークルを形成する流れなわけだが…それは、人類の進歩を約束した物なのか、単なる二次元的完結で、コンピューターがいかに人間合体型に発達しようと、人の本質は変わりようがないのだろうか…。

釈尊の説いた仏智の一つに輪廻(りんね)があるが、輪廻は単なる円環ではなく、一カ所がスパイラル(螺旋)して昇華し、人間が仏(解脱ゲダツ=覚醒した人)となる可能性への道が示される。が、さて、コンピュータを脳に加えた人類には、このステップが用意されているのだろうか。それとも依然平面に留まるしかないのが人と言う生き物なのだろうか。
逆に、自ら生み出す高度な文明によって負の3Dへと下降を早めることになるのか…。仏教は、遠い未来に弥勒菩薩が現れ悟りを開き、再び”真理”を示して人々を救済する、と予言するが、残念だがそれがいかなる物かを私が見る事はない…。
虫人
スペース滝
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