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金沢21美コレクション展2

金沢21美「コレクション2」展

正面駐車場入り口は工事中(3月18日金まで)で、市役所の入り口から入ります。
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雨の水曜日でも金沢21美は入場の行列。いつも思うのですが、これをつくった前市長・山出保氏(※註)はたいしたスーパー公務員だったと思います。
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旧の喫茶めるつばうで、市美術館をつくれ、という動きをしていた地元アーティストのことも耳にしていましたが、こんな場合、たいていは「俺たちの作品を飾る美術館を」という請願になるので、私には関係がないことだった。で先ずは金沢芸術村(旧大和紡績建物)開館で安い会場費の展示場を提供し様子見をした形だったが、若手で賑わった。

で、出来たのが21美。しかし予想をはるかに超える良質の建物とその運営で、前市長の視野と見識に感服した。退任後の今、彼にふさわしい評価と栄誉を、たとえば大きな表彰などを受けられたのだろうか。市長選がらみの政治家の駆け引きや思惑を超えた、名誉に値する実(じつ)のあった人だったろう、と想像するのですが…。

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コレクション展の第2弾です。撮影もしましたが、ブログ掲載は許可がいると思うので、さしひかえます。

スペース滝には、角永和夫氏の「シルク」小作品、2点をコレクション展示していますが、彼が最初に注目されたのは「木」のシリーズでした。21美の「コレクション2」展に展示中で5月18日までです。

スペ滝では「木」シリーズは写真での説明のみをしてました。スライスした「ヘギ」の集まりと言っても、今時は見る機会が無い。たこ焼きを買ったら珍しくヘギに乗っていたので紹介しますが、薄くスライスする機械で写真のように奇麗な薄い木の板ができる。
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展示作品は6mほどの裸の丸太を縦にスライスし、またもとどおり重ねていく。元とは違うはずの元の木ができあがる。展示品は赤みのある木の素肌が奇麗でした。
接合してないので自然にそったりもするし、オーストラリアの展覧会では上のをこっそり持ち帰られたりしている。
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「コレクション1」展で角永氏が巨大なシルクの網を制作した部屋は、三瀬夏之介氏が巨大な和紙の墨絵(?)作品を宙に浮かせていた。「現代日本画」の命の輝きとその存在の確かさを見た思いがした。


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角永氏より若手で同じ石川県白山市鶴来町出身の坂野充学(みつなり)氏の映像作品は無料で見られる「コレクション2」外作品だが、私には興味深かった。
テーマが、古代の鉄と(=鶴来)の話を能登の剣地と出雲のオロチをからめて美しい5面の投影動画映像でまとめたもので、私みたいな年寄りの、民俗研究家がナレーションする。

鶴来町の「ほうらいまつり」の卑猥な歌も、やや物足りない民俗史内容も、美しい画像イメージの中でファンタジックに変身して作者の確かな映像感覚の彼方へと誘われて見事。

以上、各氏作品は、コピペで「21美」を加えたキーワードで是非検索してみてください(角永和夫、坂野充学、三瀬夏之介)氏。
それより本物を見るにかぎります。この展示だけなら280円で入場できますから。虫人
(※註:上出保でなく山出保。訂正しました。ガンコ、気骨の人だったようです。そうでなくては〜♡)

スペース滝 

by spaceTAKI | 2016-02-24 23:02 | ■美術/案内情報など | Comments(0)