ネズミモチ
外の軒を支える柱にと、大工さんの勧めで買い、苦労して磨いたが、とうとう使わなかった。腰掛けにしたり、演奏会には舞台と客席の区切りにしていた。見栄えはいいのだが、重くて正直持て余していた。
去年の夏、展示場の飾り付けでごたついている最中、品の良い紳士がスッタッフに紛れて会場におられたのに気づかなかった。「この木を譲ってくれないか、いくらだろうか」と話しかけられ、名刺を頂いたら金沢近辺でスポーツクラブや乗馬クラブの経営をされてるV10社長のSさんだった。
秋に改めて話をつけに来たい旨が、今になって本決まりに。買った時の値なので利益はないが、磨いた苦労がむくわれて私はうれしい。
売買済で、先ほど大工さん2人がとりに来られた。「ここは何?」との質問に作品解説。「へー、こんな所があったんだあ…」と感心した様子。
スペ滝は今なお新鮮な、知る人ぞ知る隠れスポットなのだ。虫人
925-0005 石川県羽咋市滝町レ99-88