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人色々々 9

[田中雅紀氏の連載マンガ]
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花丸の映画観賞

面白い映画を観たので紹介します。

   リトル・フォレスト 夏・秋 ( 前編 )
   リトル・ウォレスト 冬・春 ( 後編 )  2015年 日本

面白いと言っても、ストーリーが面白いとか、そういう映画ではない。ドキュメンタリに近い味わいなのだ。
ヒロインの若い娘いち子は、都会から故郷東北の小さな山村に帰り、1人で農業をやり自給自足の暮らしをしている。
物語は登場人物が少なく、ほとんどがいち子の独白で語られる。田の草取りや野菜の栽培などを詳しく説明し、そして収穫の後の食べ方や料理を多数紹介。原作は人気漫画らしいが、ジャンルで言えば料理漫画か? 料理はグルメではない。凍み大根やワラビや干し柿などをつかった昔ながらの東北の田舎料理。いち子も今風に色々工夫して、山グミでジャムなども作る。
自家製甘酒を布でこし、瓶に詰めて冷蔵庫で冷やしておく。汗の流れる田仕事の後に、その甘酒をいち子がコップで一気飲みするシーンは観ているこちらの喉が鳴るよう。いち子役の橋本 愛の食べっぷり飲みっぷりがとても良い。

フォレストは山林や森林地帯の意味。山里の四季の風景が素晴らしく美しい。私も能登の里山の生まれなどで、見る景色や田舎料理がすべて懐かしかった。
いち子は都会の暮らしになじめず、逃げるようにして故郷へ帰ってきた。かと言って、まだ故郷に根付く決心もつきかねて迷っている。このヒロインの迷いが作品に緊張をあたえ、淡々と語られる日常なのに、ゆるくなっていない。

私と同年代の虫人さんにぜひお薦めの作品です。でもまだDVDは発売されてないのかな? (田中雅紀)

人色々々 9_d0329286_928441.jpg[虫人の蛇足コメント]
勝手にアンダーラインなどしました(読みよいかなと)。
スペ滝出入りの若者が農業を考えたり農業へ転職したりすることが現実何件かあります。私も昔考えましたが、甘くない仕事。
きのうN氏とK氏がボランティアで館裏の草刈りをしてくれ、そのカフェタイム。中央行政やJAへの批判話も出ましたが…ひとつには我慢強くて(?)現状を変えたがらない日本人の保守傾向が今日末端でいろいろな非合理やジリ貧を生み出してるのかなあ、と思ったりもします。虫人


スペース滝
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by spaceTAKI | 2016-06-05 05:44 |  人色々々(花丸ゆう) | Comments(0)