カテゴリ: 虫人(Mushind)profile( 15 )

Mushind eiichi NAKATA
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profile:

Born/1943-Kanazawa-shi, JAPAN.
Degree/ Kanazawa Callege of art and Industrial arts. Oil paintinng

Exhibitions:
2016 ’16 Spae TAKI NOW Exhibition
2013 '13 Spae TAKI Exhibition
2011 SOREZORENO KYOTEN ("Space TAKI" Opening Exhibition) "The Clothes of Inspiration"(Ishikawa-ken Hahui-shi TAKI-machi,Japan)
2003  SOREZORENO KO-TEN '03(Fukumitsu art museum. Fukumitu-machi, Japan)
1990  3rd INTERNATIONAL"ART OF TODAY"EXHIBITION,1990(Buda Castle Palace. Budapest, Hungary. The work "four cans pressed"was offered to FMK gallery. Organized by Young Artists' Club and INKO Ltd.)
1990,89,88,87 INTERNATIONAL EXHIBITION OF MINIATURE ART (Metro Toronto Convention Center, and D.B. gallery. Toront)
1986 The 7th EXHIBITION OF CONTENPORARY PAINTING ART(Ubeshi Bunkakaikann. Ube, Japan)
1985 2nd INTERNATIONAL SHOEBOX SCULPTURE EXHIBITION (The Univercity of Hawaii Art Gallery. Manoa, USA)
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1984 ONE DAY SOLO EXHIBITION (Installation at caffee chop MERZBAU. Kanazawa-shi, Japan).
1978 ARTIST-UNION SYNPOSIUM'78 " FILE & LIFE" (Tokyo city museum.Tokyo)
1977 EXHIBITION D'ART CONTENPORAIN DU JAPON (Paris &Tokyo. )
1970 Group exhibition ( Gendai-garou gallery. Osaka, Japan)
1965~74 Hokuriku Cyunichi Art Exhibition (Kanazawa & Toyama , Japan )
1964 KYOTO INDEPENDENTS (Kyoto city museum. Kyoto )

Awards

2nd Place . Sculptures and Bas Relief categorie .('90 INTERNATIONAL EXHIBITION of MINIATURE ART)
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Honourable mention. Sculptures and Bas Relief categorie.('88. 〃 )
Toyama-Television Award. Painting. ('74 Hokuriku Cyunichi Art Exhibition)
Kanazawa commercial and industrial council President Award.Sculpture. ( '69. '70. 〃 )

中田虫人(なかた むしんど)

プロフィル;

1943年金沢市生まれ(本名:栄一)。粟津小、南部中、小松高を経て、現「スペース滝」(石川県羽咋市滝町レ99-88)オーナー。東京、名古屋、金沢、鶴来、粟津、羽咋の在歴。

[美術歴]

1964年 京都アンデパンダン
'67年 金沢美術工芸大油画卒
'77年 日仏現代美術展(パリ、東京)
'78年 アーティスト・ユニオン・シンポジューム「ファイル・アンド・ライフ」展(東京都美術館)
'84年、1日だけのインスタレーション(メルツバウ=金沢)
'85年 国際シューボックス彫刻展(ハワイ大学=USA)
'86年 現代日本絵画展(宇部絵画ビエンナーレ=山口県)
'87〜'90年  国際ミニアート展(デル・ベロ画廊、およびメトロ・トロント・コンベンション・センター=カナダ)
'90年 国際「今日の美術」展(ブダ宮殿A棟=ブダペスト)1入選作をFMKgallery(青年美術家クラブ)に提供。

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2003年「それぞれの個・展'03」(福光美術館・ギャラリー=富山県福光町)
'11年「それぞれの拠展-念底の装い-」(「スペース滝」オープン展=石川県羽咋市滝町)
'13年「'13スペース滝・小品展」(のと里山海道開始記念= 同 )
'16年「’16スペース滝・NOW展」(金沢美大・金の美大展覧会参加展)「水影1号」

[賞]

'69年&'70年  北陸中日美術展商工会議所会頭賞
'74年  北陸中日美術展富山TV賞。
'88年  国際ミニアート展(カナダ)名誉表彰
'90年  国際ミニアート展(カナダ)彫刻部門2位賞。

「スペース滝」公式ホームページ 
 Formal homepage of Space-TAKI:
http://www.geocities.jp/space_taki/index.html
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スペース滝
925-0005 石川県羽咋市滝町レ99-88  TEL&FAX 0767-23-4401
▶虫人「小径」表紙画・随想の掲載(イージーライダー澤守氏のHP)へ



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10月30日(日)付け北陸中日新聞に、スペース滝ではなく、私個人が大きく記事になりました(石川県のみ)。

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”アトリエ殺人事件”がらみじゃありませんよ。

夏の展覧会期中「水影」作品をたまたま見た、隣区域担当記者(榊原大騎氏)から「中田さん個人を記事にしたものが見当たらないので一度書きたい」との電話。で当エリア担当記者の承諾も得てのじっくり取材。

誕生時からの個人紹介欄で、佳い写真も撮っていただいたが「一冊の本にもなる話量で収まり切らない…」とも。「読者目線でおもしろいとこだけにしたら?」と私。

で、見出しがとても気に入ったなあ「アートを追う生涯」…そのまんまですからね…ジーンとくる。

見出しをつけた整理記者「青木ひかり」さんが男性か女性か分からないが若い方でしょうね。「…人生」ではなく「…生涯」と言うのがなかせる。悲哀がある。うつくしさがある。本文にはない語だから、整理さんの勘で”虫人の生涯は終わってるな”と文を読み取ったんでしょうが、若気のギラギラがない老境のいい所です。

d0329286_10431847.jpg取材中「専門的なことは難しい…」ということもあり、アート記述は不十分でしたけど、文化欄じゃないですからね。榊原さんありがとう。

見た、と言う反響や来場者もあってうれしいことでしたが、挿絵の西のぼる(全国友好6紙に目下連載中)からの電話で「量が多いなら、上・下でやってもらえば良かったのに…」。(あら、西さんほどの有名人じゃないから無理でしょう)

日本画を描いているという近隣の女性からは「いくらあっても足らないでしょう?」と、急ぎチリ紙にくるんだ3000円の寄付を頂いたし、機会があっら出品したいと連絡先を書いていく方、地元の日本画家・岩田崇先生のサインもありました(気がつきませんでした)。福井県からの男性も。

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コンテンポラリー、コンテキスト、コンセプトなどという固い専門語の出ない人間模様仕立てで、「虫人は手塚治虫から」と言った親しみあるネタでまとめられた記者の文才にひかれ、みなさん文面には好感をもたれたようです。
私も乗って”藤田嗣治ばり”のお茶目な?近影をここのページトップに紹介させてもらいました(撮影:垣田堂氏)。弾けもしないベース抱えたバカぶりがカッコ良くて…これまた、いいかも? 中田虫人なかたむしんど


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ブログの更新がとどこおりました。

本日(9/23)退院しました。
入院は、村のお祭り日の深夜の緊急事で、おとなりの喫茶におられた町内の皆様にも助けて頂きました。
腸閉塞、10日間の緊急入院でした。初体験でしたが、痛い病気ですねえ。再発もあるそうで気を付けます。とりあえず、御礼とご報告
ご心配かけた方々、色々助けて頂いた方々、本当にありがとうございました。中田虫人


赤マンマの 祝いし野辺に 退院す(虫人)

試(こころみ)し 七五の詩(うた)や 秋の虫 (虫人)

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昭和30(1955)年ごろの、石川県は加賀温泉郷のひとつで古い歴史を持つ「粟津温泉」です。旅館街は右手枠外で写ってません。

右下の白い部分が、山裾にある広場で手前半分が池。粟津遊園地と言う名前でした。町に戻るようにして山中に散策路があり、薬師院大王寺の裏手に出ます。
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写真中央の木の影で見えませんが、そのあたりに「カッキャラのおばば」という人の家がありました。スペース滝のマークデザインをして頂いた米沢悦良氏や、プロ写真家の生水(しょうず)和夫(=現代美術作家で、他作家の作品も撮り美術手帳で名を散見す)氏の実家近くです。

私が10歳ころの遊園地での写真。
指の爪の生え際にイボができていて、ある日母親が「カッキャラのおばばん所行って、イボを取ってもらって来まっし」と言うのです。
柿原という家は知ってましたが、親しくもないので緊張してたずねました。
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色黒で小柄だが、細面の優しげなお婆さんが出て来て、前の小川の石橋の上に立っておれ、と言います。茄子のヘタの切り口を軽く患部にあてて擦(さす)り、つぶやくようになにかを唱え、そのつど川に捨てます。「見てはいけない」と言われていたわりには良く覚えております(見てたんだ)。
ふしぎな初体験でした。数日後、気がつくと嘘のようにイボが無くなっていました。


"一寸法師"ことスクナビコナ(少彦名)命は薬草や温泉治療の知識があったといい、後世お薬師様として祭られたともあります。語源探しの古代史探求で彼の名が出てくると、私はカッキャラのお婆をふと思い出します。虫人
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今日(17日)付けの読売新聞に広告が載る、と叢文社からメールがあり、コンビニまで買いに行った。全国紙の第一面下真ん中。こんなん初めてですけど、著者は浅野周二先生で、わたしゃイラスト装丁しただけです。店頭に並んでもわずかの期間でしょう、本屋を覗いてみましたが、まだのようでした。
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今日は市役所への「後期高齢者(*註)」手続きがらみで隣町郵便ポストまで散歩しました。歩くのが気持ちいいくらい体力は戻ったみたい。でもこんな飛び石橋は足を掛けてみただけで渡る自信なし、波打ち際へと遠回り。
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今日は久々に夕食づくりにも熱が入りました。虫人
(*註:後期高齢者は75歳から。例外もあり、私は2週間後に古希と60代なのに認定です)

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ウツ虫
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確定申告を一応終えた。「バンザーイ!やったぜベービー!!」などどはしゃぎたくなるはずなのに、メランコリーである。だから、部屋を片付ける気もなく書類散乱のままだし、ブログの更新もしなかった。

何が原因ということもないから、いわゆるウツなのである。”老人性鬱病”という便利な言葉があって、そんな仲間に入れてもらおうかいと、ちょっとの帰属意識も働くが、私のウツは子供の頃からで、多分内臓機能のちょっとした働きの悪さに起因し、3歳時の腸チフスが今もたたっているに違いないというのが勝手な自己診断である。

自分で自覚しているのだから何とか手を打ったらいいだろう?なんてのは、健康な人の言い分で、穴に落っこちたのはお前なのだから、お前自身で這い上がれるはずだろう?と言うほどそらぞらしい助言である。そんな簡単な物なら、鬱病で自殺したりする人は無いだろう。へりくつはこのぐらいにして…私は何とか軽いうちの脱出をと、この朝目覚めてズーッと考えていた。

今は少し元気になったのでブログ更新を始めたが、そのきっかけは看護婦さんなのである。

数日前腹痛で地元の病院で女医さんに診てもらった。若くて美人で明るく元気そうな先生も好きだが、私に力を呉れたのは手術入院中の看護婦さん達をふと脳裏に思い出したからだった。

はじめは何人かの顔や表情を思い出し、彼女達の仕事っぷりを一目見たいと思った。用もないけど病棟まで行ってみたいと考えた。鬱から逃れれのるなら良いアイディアに思った、天気もいいし高速道で30分以内、簡単に実行できる。だが、ウツというのは、言うが容易いが行うが難しいのである。何をするもおっくうである。結局実行はしない。自慢ではないが、それがウツと言うものである。

で、何で少し救われたかというと、彼女達は今日も頑張って働いてるだろうなどと、思い出をまさぐっていたら少し元気になって来たのである。

みんなそれぞれ色々な事情を抱えていたことだろう、自分を含め患者も色々様々だった。元気な人などはいないし、病を得てどこかで死と向き合い、苦と向き合っているひとたちだ。そんな人間たちと、人生経験の浅い若い彼らが、来る日も来る日もにこやかに接する忙しい日々が、自ら選んだ職場であり仕事なのである。

自分ひとりが働き手で、家に帰るとそこでも看護を待つ両親らがいるのだという女性もあった。それを思うと、私のウツなどは贅沢の極みだと言う気がして来るではないか。すると書きながら、涙が溢れて来るのだ。涙もろいのは年のせいもあるが、ウツのせいでもある。そして、また少し楽になった。ウツというのはそんなものなのである。

ウツの話おわり。
(心配は無用です。ウツは私の長年の人格の一部で…扱いにはなれてます。ウツ虫)

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菓子箱の中身?

d0329286_8354879.jpg菓子がどんな物かまだ知らないというので、持参したコフネコさんと、私と野中洋一氏が期待をしながら開いた。バリ島からの土産にしては普通のクッキーだった。

昔、過大包装が社会問題化した。上げ底やクッションでほとんど中身がないなんてのがあって、今のようにラッピングに凝る趣味的余裕のない時代だったから詐欺だと批判された。

そこでは利益を上げようとする商魂が見えるが、実は私は「見えない物をどう見せるか」を制作のテーマにしたことがある。


見えないものをどう見せるか

意識的にやったのは2003年の福光美術館での作品群で、掲載写真では布で隠した部分には実体を無くし、鑑賞者がイメージで埋めて見られるように作ってある。イメージは具象なので、そこに何か意味ある「表現」があると思って見た方もあったようだが、どうでも良い大きめの土産製品などの既製品をオブジェとして無意味に用いたつもりだった。(それにしては意味ありげだが)
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布の中は支持体のみで、たとえばブタさんは針金作りの輪郭のみ。キリンさんは金属の支柱、平面のイヌさんの隠し部分には何も無くて壁のみといった具合。


喫茶「めるつばう」でのインスタレーション

1984年喫茶「めるつばう」(=金沢)での一日だけの個展では、このコンセプトがまだ萌芽だったけれど、少し注目もされ、当時金沢大学のドイツ人教師から、あちらで個展をしないかと誘いも受けた。

店内に張り巡らせた鉄骨(写真)は、本来はビルのコンクリート中にあってその存在を意識はしない。それを敢えて室内に構築して中を通らせる、跨がせるという体験型インスタレーション(設置型美術)だった。
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掘り出して見える世界

2013年1月現在、スペース滝で展示中の常設作品はその頃のもので、形式はアッサンブラージュ(集合体美術)だが、モチーベーションは大量消費文化の象徴であり、さらに貝塚のような記憶体として将来遺ることを暗示し、それをコンテンポラリー(現時点)表現として可視化したいという思いが動機になっている。
(→「餅つき会場の変更」2013.1.2ブログページ写真の壁にある大レリーフ作品等)

遺蹟や考古物という土中にあって”見えない物”を”発見”させ、見えない過去をイメージさせると言う意味での””を、缶などをコンクリートに一度は埋めて、一部を掘って見せるといった作品も含めてだが、当時は漠然とした何かに導かれていくような感覚で作品を制作をしていた。

このように、私が求めるのは、視覚上のイリュージョンを応用したトリックアートやオプティカルアートではなく、シンボリックな仕掛けを読んでもらおうと、やや哲学的または思想的な思考傾向をメッセージとして作品に託そうとするものになる。だから、造形結果にはあまり満足したことはない。たぶん制作意図がずれ、受け手から誤解を生み易いからだと思う。ストレートで硬質な物言いより、楽しめる納め込みの方がいいと漠然と思っており、美術とはその程度のモノと理解しているからかも知れない。(ここの辺りの見解はコフネコさんがらみの別論項を設けるつもりなので、今回は割愛したい)
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見るとはイメージする事

その後はブログにあげた「Dynamic equilibirium(生命=動的平衡)」をテーマにしたデッサンが創作動機になるが、これは度重なる入院手術体験と幻覚への興味から来ている。

意外にも、そこでも認識とは何か、"見ている"とはどんな事なのか、肉体の極限から出てくる可視化されたイメージには何が描き出されるのか、という興味だった。

ここでも、”見る”ということへのこだわりが無意識につづいていることに気づき意外だった。つまり、見るとは生理的には個体が外界の刺激を脳でシュミレートしようとすることであろう、という観念的な知識があって、自分の体験を通してそれを再認識し、極限状況の肉体から生まれて来る物の姿を見たかったのである。

結果的には、無意識の表出を狙う事なのでオートマチズムの意図と同じ試みになったが、シュール・レアリズム実験の追確認を目的としたのではない。

私は画学生時代から実験的作品を作っては壊す習性だったので、作風やスタイルを持たない(持てない)のだと思っていたが、こうして軸になるものが続いていたのだと思うと改めて感慨を覚える。


ネットにシフトしていくマンガ界

好まれもしない硬い文を、あえてブログに書く気になったのには理由がある。

コフネコトモ子さんのバリ島留学中に彼女がのめり込んでいたのがストリー漫画作成だったという意外性だ。描き進めながら、死に臨む場面では何物かの降臨を感じ、落涙しながら描いたという彼女の報告を聞きながら、私の方は漫画界がいつの間にかネットにシフトして、新たな展開をしてるらしいことを教えられて、認識を新たにしていた。

[イラストはマンガサイトに掲載されているコフネコ(Fune)さんの絵コマ。主役?のさすけの死の場面。絵の迫力と表現力に圧倒されるが、その背後に彼女自身の”心”が有ることに気づく時、説得力がさらに増す。見えないものの見せ方とは、ある意味造形芸術の本質なのだと改めて思い知らされる佳作。]
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私は今年の誕生日で70歳。60歳以上でネットしている世代は6%だと記憶する。上の世代、例えば美術評論家の故・針生一郎氏はキャラやコミックの作風には早くからアパシーで、「私は理解できない」と書いた。

d0329286_8411193.jpgこんな正直な告白を公にする針生一郎氏という先達を、私は尊敬もし、多くを学んだけれど、世代・時代の変節ばかりは、真摯で信念の人であればこそ、受け入れがたい面があるのはいかんともしがたかったと思う。

質の良い美術の正当な評価を目指して評論を始めた立場からすれば、「芸術企業論村上隆」はペケだったという意味でもあっただろう(その論拠はまたの機会に試みたい)。近代純粋美術が基本「無目的(無償?)の行為」であるとの定義を、今日も外さないのであれば、この視点は重要で軽々に忘却出来まい。金儲けをしたいのならホカでやってネという話だ。


アクセス数という社会的”評価?"

かたや、パソコンやネットの広がりや進化は加速を続けていて、それを享受する人の数は想像を超えていよう。このスペース滝のブログのアクセスは平均15人/1日。ケイタイとスマホを含めても40人弱くらい。属している「アーティスト」のランキングでは103位〜240位/756、とランク外に落ちるのをかろうじて踏み留まっている。後発の開設一年半にしてはよい。固定したSpaceTakiファンの皆様があるおかげと思ってとても感謝している。

とはいえ、人気ブログは桁が違っていて、一日数百、数千のサイトもある。で、ブログではなく「漫画投稿サイト」の人気ものアクセスは数万と云う。(正確な数字をつかんではいないが)


ネット社会の見えざる部分"

これがマーケット、すなわちお金儲けに繋がっているのかは不明で、大半の投稿者は赤字なのだろう。ここには、”好きだというだけ”の供給と需要で成り立つ、無視しがたい巨大な仮想現実社会が形成されている。しかも厳しい人気競争の社会とも言えそうだ。

前にあげた漫画家・浅田圭さんの引用文にもある通り、ネット等に多くの金銭が流れ込み他に回らなくなっているとして、ではどれほどが発信者に金銭的な還元がされてるのかはほとんど見えない。一方的に消費され続け、富がどこかに偏るというのは経済的にヘンではないか?この場に携わる多くの人達が稼いでこそ”経済社会”は健全に回ろうというもの。バイトなど他で稼いで、一方的に金と労力をつぎ込むなどという構造は、純粋美術界とか云うマイナーで少数派の奇人変人のやることで、裾野の広がりが上部を支えているのだと認めても、何万人もの普通の民が多くの時間を割いてのめり込むことなのだろうか…。


”クラウド化”していく掴みにくさ

話は戻るが、ネット社会は広大で、情報ほとんどは全て開示されているとはいえ、見えない部分や見ない部分の多さがあって完全に使いこなすのは無理と思ってしまう。

ここでも淘汰があって、残る必然のあるものが残るとは言えようが、その速さについて行くのは金銭も含め、個人の負担に限っても大変と思う。それでも時代はこの社会をふくれ上げ続けさせていくのだろうし、一度開けたパンドラの蓋は閉じられない。

私のライフワークといっていい「見えない物を見る」というコンセプトは、ここへ来て、まさに雲(クラウド)をつかむに似て対象が巨大化し、つかみ所さえ”見えて来ない”といった現代社会の混迷ぶりそのそのもののようで、情けないと言えば情けない。もっとも誰もが先の一歩さえ完全に見通せはしないし、せいぜいお釈迦様の看破されたごとく「諸行無常(すべてのものは変化する)」の真理が見える程度だろう。

私がやれるのは、その見えないもの一端を自己流に表現するしかないし、それは狭い意味での「個性の表現」そのものの域を出ない事なのかも知れないのだが…ともあれこの老人は、見えないからこそ見たがり、知りたがり、やりたがる困った性癖があるらしいし…そこが救いかもしれない。
(2013,1/15虫人)

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お盆時期は毎日のように遠路からお客様。

15日は山本さん一族。京都と高岡から。ワン公はふたりで28キロの下敷きに。きり子ちゃんとチマキちゃんはブログ「むろじうろじ」のブロガーがおかあさん。25日は友人の結婚式とかで、滝にワークショップを出せないそうです。残念。
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おじいちゃんは輪島市出身の日本画家・山本隆さん。
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* *

展示ホールには野中洋一さんたちの作業ボランティアで新たな作品が飾られました。
中田虫人の旧作『使い捨て物質文明イロニー』のシリーズ。結構大作です。皆さんの評判も良いようです。演奏会がおわってからもひきつづき展示されますので、ご覧になりたい方はご来館ください
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中田本家の方々3家族が神奈川県などから来館。コフネコさんの映像など熱心に見て、帰られました。5歳のはる君のドラム演奏、様になってます。家にドラムセットがあるのだとか。
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幻覚について  中田虫人
(「小さな喫茶店」の詩9随想と同文です)

幻覚」というのは「幻想」「妄想」と違い病的で、またかと思われることになるのだが、私はけっこう幻覚の経験がある。いずれも疾病時で、平素からその癖があるわけではない。
(▼イラスト:当館の海側に咲く水仙と、入院中描いたデッサンのPCコラージュ) 

d0329286_1412097.jpg数年前の冬、風邪をこじらせ羽咋市内の医院に入院した時、インフルエンザの特効薬「タミフル」を飲んだ。真夜中の廊下で2、3の女性患者が寄り集まっておしゃべりしているのを聞きながらベッドに沈んでいたが、後タミフルの副作用がニュースになって、幻聴だったと確信するようになった。あの日病棟に自分以外の人が居なかったようだ。

今回の入院の後は普通に幻覚(と言っても寝ぼけと紙一重)を何度も経験した。最も頻繁に見たのは天井の虫食いボードの”星座風模様”。虫食い穴が組み合わさって女性やじじいや子ども、犬などの絵柄に見える。医師は腹の中が火傷したようなもので幻覚は当然だと言う。回復に従い、虫食いにしか見えなくなり、淋しく思った。

最近のは、暗闇で天井を見ていた早朝、板の節目が見る先々で小さな黒いサワガニに変化するので、ああ幻覚だと楽しんだ後、明かりをつけたら、天井板はもっと上方にあり、しかも板張り方向が違っていておどろいた。夢にしてはえらくリアルで意識がハッキリしていたが…。

これとは逆に、皆からそれは幻覚だろうと言われていたことが、後で事実だと分かったことも何度かあった。

「般若心経」の「色即是空」は有名(「空即是色」とつづくが、スリランカのお坊さんアルボムッレ・スマナサーラさんは、これは調子を合わせるべく後世誰かがつけたしたもので怪しいと書いている)。ともあれ、仏教ではこの世は空。で、多分現実の人間の認識も脳のシュミレーションとして外界の刺激を象(かたど)ってみたに過ぎず、量子力学的世界観からは人間が疑いようもないア・プリオリな実体とは違う世界が実は「実体」の”実体”のようなのである。

私はいつものように例の化け物じみたデッサンを描きながらよく想うのだ。実体は仮(け)で、仮のうちにこそ実体を見みており、虚構が深い意味を持つのだ…と 。

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2012年 02月 10日は金沢地裁での法廷スケッチの仕事。朝雪降る中、傍聴券を求めて長い列。

券を得られず、寒中にたたずんだだけの人々が足早に駐車場に戻る。それとすれ違いながら裁判所に行けば労せずして1枚が私に。

報道関係に1部屋あり、長机に折りたたみ椅子のセットが3列。テレビや新聞記者、カメラマンでざわつく。その隅で一服。…若い女性が多いなあ。
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色々あって開廷。
スケッチブックを広げ、法廷が落ち着いたとろで3B鉛筆を走らせる。夕刊に間に合わせるため最初の休憩で出て、部屋に戻り彩色。待機のカメラマンにその場で接写をお願いし、即新聞社へ電送。1件落着。

早く駐車場に戻らねば料金がどんどんかさむ。午後にも仕事がある。無料駐車場見つけて弁当を食い、再び裁判所へ。こうして昨日の依頼仕事は済んだ。 

 滝町から金沢に来たついでで帰途、詩人の佐奇森幻さん宅に寄ったらテーブルにもう夕刊。早い!
だって裁判はまだ開廷中で、朝刊用の描きかけの絵を社へ持って行く途中の話だ。

激務の一日の翌朝はひと風呂あびてボケーッとしていたい気分…でした。おわり。
(中田虫人)

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