カテゴリ: ひろのひとみの世歌意( 6 )


天使のうた

ひろのひとみ




 羽の折れた 天使は 独りうずくまり  両手で肩を 抱いて 震えている

 言葉にならない 哀しみ 喉の奥で閉じたまま
 落ちる事のない 凍りついた 涙

      そっと 抱いて 温めてあげる  
 その痛みに その切なさに 溶け込むように

 羽ばたいてゆく 夢を 何度も見ては 壊れる
 拾い集めて 形にしても 消えてしまう まぼろし

      握った 手のひら 流れる命
      その戸惑い その寂しさ 感じてあげる

      そっと 抱いて 温めてあげる
      その痛みを その切なさを 包んであげる


 羽の折れた 天使は 独りうずくまり 
 両手で肩を 抱いて 震えている


 ※著作権はひろのさんに有ります。シェア、複製などには彼女の許可がいります。

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[虫人のコメント]
佳い詩(歌詞)だなあ、と思う。なんのコメントもいらない。

けど最近のFbで "普通のお母さん" 宣言されたような記載があったので、一言書きたく思います。

いつかまた、歌ってもいいなと思う季節が来たら、聴かせてください。
"主婦"であろうとなかろうと、それが非凡であれ平凡であれ、私は静かに「ひろのひとみのうた」が帰って来る日をいつまでも待っています。

ひろのさんは正直で嘘が無い。だから、それが何であれ人は惹きつけられるし、待つ甲斐(かい)があると自然に思ってしまうのでしょうね。

(詩人が"私人"でも主婦でも、いつでも滝にあそびにいらして下さい……。虫人)

ps. 後のFbでは「ちょっと一休み」が真意のようです、よかった。

スペース滝
nkt@yacht.ocn.ne.jp

925-0005 石県羽咋市滝町レ99-88  TEL&FAX 0767-23-4401


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[ぴあのうたいの詩]

メトロノーム
ひろのひとみ

  
 狂うことのない  永遠に  
 だけど 止まることはある  
 ゼンマイが 切れた時

   人生は長くて  人生は 曲がりくねって
   だけど道は 前にもあって  横にも  後ろにも  ある

 変わることはない  永遠に
   だけど 黙ることは ある   
 ネジが切れた時

   一日は長くて  一日はうねり狂ってて
   だけど後ろにも 戻らない  横にも  斜めにも  戻らない


  メトロノームのように 正しく刻む 時間
  だけど かすかな 狂いが 微妙に ずれて いく
  メトロノームのように 正しく刻む 時間
  だけど かすかな 狂いが 

  微妙に・・・

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[読後感想対談]
司会者、女性A、男性B

− 春めいてはまた雪、足元の悪い中お集まり頂いてありがとうございます。ひろのさんの歌詞、二つ目ですが読後感想をお願いします。

A 予めメモを頂いて読んでみましたが、この詩を選んだ理由がしりたいの。
− はい。まずは分かりやすさです、司会者の独断ですけど。一見どの詩も平易に見えるんですが、奥が深くてというか、重いんで。

B なるほど。この詩もメトロノームだ、音楽だ、なんてたかをくくってると足元ををすくわれ、罠に落とされそう。ひろのさんの歌詞は”怖い”ですよねえ。彼女は日常の中に隠れた本質をさらけ出して、みなさんが見ないようにしているつもりのモノを突きつけて来る。ご本人がごく普通の女性で、やさしく繊細だが穏やかな方とお聞きしてますので、よけいに堪えるわけです。

A メトロノームは、ひろのさんにとって子供の頃から身近にある平凡な玩具みたいなもんでしょう?だから安全、とも言えなくて、詩作を迫る刃物になる。この感性の鋭さは私なんかにはまねできないものがあって、ほんとに詩人だなあと思います。

B ご存知、中野重治と言う方がいました。プロレタリア詩人で秀才で、戦前戦後に官憲から弾圧を受け、戦後は参院議員にもなった文筆家。比較のつもりはないのだけれども、ついこんな話を思い出します。

みんな故人ですが…小野忠弘さんという現代美術の草分けの国際作家が福井県の三国にいたんですけど、福井出身なので、中野さんが彼を訪ねたところ、言い争いになって「お前のような俗物に俺の詩が分かってたまるかっ!」と中野さんが灰皿を投げつけたと言うんです。

A すごい話!…で、小野忠弘さんて何者なの?
B 戦後早い時期に当時の前衛的な作品で国際展で受賞した現代美術の実力者で、のち福井大学で教えた。気鋭の新進評論家だった針生一郎などを「針生くん」などと軽く呼んでたくらい…。
あ、そうか、針生氏が福井の金津美術館の館長をやる気になったのは中野重治の出身地そばで特別な思いが有ったからかも知れないなあ…。
A 「新日本文学」つながりってことね。小野さんも関係あったの?

B 無いと思う。彼は福井県の「北美」という美術運動とも距離を置いて「哲学派」なんて自称してた。NHKのドキュメントで見ましたが、晩年はジャンクアート作家でした。ジャンクアートは鉄屑など廃物を使った彫刻のようなものです。

ピカソも一時共産党員にされていた事もあったし、針生氏も"アヴァンギャルド"以前はシンパでしょう…ところが前衛美術(アヴァンギャルド)と政治イデオロギーというのは似て非というか、その辺りが許せなかったのだと思います、中野重治は…。

A 詩人の魂の純真さからは前衛美術家は俗物に見えたわけね。「アヴァンギャルド」ってもともとは社会革命の前衛から来てるんでしょう?
B ええ。"近代美術の革命”の「前衛」…だなんて、そもそも"俗物"だけど…。
A え!そうなの?(笑い)

B いえ、立場の違いという話。あ、ひろのさんね、この方のすごいのは、心の根っ子や命の有り様を、直に作品化してしまう立場、その直感的な純粋さです。無意識から出て来るので怖くもあるけど心に響きます。

こうしてる間にもメトロノームは時を刻み、そしてゼンマイはいつかは止まるか壊れるんですよねえ。微妙に狂うって…すごいですよねこの感覚…ほんと、まねてできるものではありません。
− ありがとうございました。(了)

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※著作権者:ひろのひとみ。連絡先は上記。

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まわりはB型

ひろのひとみさんはABだそうですが、私はA。ところが私の周りは圧倒的にBが多い。気が合う。

大学卒業したころ性格タイプ論の本を読んだ。日本で血液型性格診断を言い出したのは大正時代で、西洋の医学ではフロイトとかクレッチマーの精神分析の性格論が言われたのと呼応しいて、医学論文として発表されたが、血液型は学会からは無視されたとあった。(初論文は昭和2年)

人間関係、とくに異性や恋愛に悩み多い若い頃で、私は目からうろこの思いがしてありがたかった。その割には"寅さん"並みの失恋歴
ちょうど会社の入試があり、課題の作文にはアドラーを書いた。アドラーは血液型と関係ないが、その欲望論だけ頂戴した。これは効果てきめん、わたしは幹部候補生なみに買いかぶられて合格した。なにしろ、彼は「権力、優越、支配」が人間の本質と言ってのけた学者ですから、会社幹部や人事部が「こいつは大物になる(かも)」と期待したのでしょうね。残念、3年後退職した裏切者です。

「血液型の科学」

2010年刊の「血液型の科学(祥伝社)」をひらい読みした。東京医科歯科大の名誉教授・藤田紘一郎さん著で怪しい本ではない。血液型性格論の肯定者側だ。

昔読んだ能見正比古・本では「O型人ばかりのは中国で、他型へ輸血が可能なように、O型は古い型」とあったが、国による血液型の人種的偏りは、このほかに、個別の感染症ウイルスに親和性があるかどうかという事も原因であり、歴史的な産物と言う。つまり、どんな流行感染病が起きたかで、生き残れる血液型人と死に絶える血液型人が生じて、国民の血液型さえが決まったという。現在の地球でも起きていることらしい。

また食物環境で生まれた血液型が歴史上違っていて、食生活の適合は血液型に左右される、と健康管理に大きく紙面をさいている。

かつての知識では信じがたいことだが、血液型は変わる事があり、肺炎が重症になるとABやAが一時的にB型になる時があるそう。原因はB型タイプ菌が血液にとりつくからで、改善すれば戻る。B型人はこのB型菌に抗体がないからかかりやすく重症になるという。

AB型芸術家


AB型は敏感で芸術家向きだが、感染症にかかりやすくストレスにも弱いので、明るく楽しい生活をし、もっとも大切なのは規則正しい生活で活性酸素をためこまないこと。というのですが…AB型のみなさんいかがですか?久しぶりに血液型の本をよみました。

今日はよいお天気の休日で、何組ものお客様があり、展示品の解説もしました。一組は「小さいおうち」の検索から当館へたどり着き、初めて来館された若いお母さんなどの方々でした。虫人



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水たまりに 空の深さが映っている

小学生が書いた詩で、半世紀も前に本か新聞で目にしたが、今なお忘れないでいる。(作者不明)
この時、私は詩という文学はこんなものなんだ、と初めて分かった気がして嬉しかった。

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文面を透かし、白雲と青い空と、長靴を入れたら吸い込まれそうな空の深さが足下にあって、雨上がりの澄んだ空気は少年の心そのままにすがすがしい。感受性豊かで賢そうなこの少年は、黒い小さな傘を杖代わりに片手に立て、ランドセルをしょったまま水たまりを覗き込んでいる。既知の友人であるかのように、私の心もそこに寄り添っていた。

『ひろのひとみの世歌意』の反響に驚いています。


likeボタンが20越えをカウントした時点で、多くの厚意的な目を感じて思わずウルウルするものがありました。
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ブログは見るもので、読んではもらえないと思っていたし、まして詩などは敬遠されるはず。でも、ひろのさんを、その世界をなんとかして伝えたいとずーっと思っていました。

現在「ひろのひとみ論(1)プロローグ」が75likeをカウントしている。こんな数は初めてです。皆さんが彼女に寄せる心に改めて感動しています。

彼女は、掲載後間もなくスペ滝にわざわざ来られて、詩の掲載が始まったことが嬉しくて、込み上げるものがあったと礼を述べられた。

挙げれば切りがないほど気が利いて、繊細で、温かな人柄が、こうして多くの人を惹き付ける基礎にあるのだと思うし、至らないながらも何とか掲載出来てほんとに良かったと思う。
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相変わらず荒れた天候がつづく日々だけど、私は満ち足りてこころ豊かな気分。みなさんのお陰です。ありがとうございました。御礼まで。虫人
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(短時間ですが、こんな表情を見せる海もあります。一昨日の夕、滝崎前を堤防から)
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[ぴあのうたいの詩]♬

アラビアノネコ
ひろのひとみ

 アラビアの猫は  きらきらヒトミ  
 夜の闇の中 妖しく見つめる

 ダイヤモンドの身体 幻の一瞬  
 探し求めるの  彷徨うロレンス

     見つけたら 手に入る  不思議な宝石が
     夜空の星 アラビアを 目指して 歩き続ける


 アラビアの猫は 魔法の呪文  
 砂漠は踊り出す 時が満ちてゆく

   満天の星が 光る 涙の欠片  
 追いかけてゆくの エルドラードへの道

     見つけたら 手に入る 永遠の命さえ 
     光り出す アラビアの 猫を 探し続ける


(アラビアノネコハ サガシツヅケル エイエンノイノチヲ アタエラレルソノヒヲ)
アラビアの猫は 探し続ける 永遠の命を 与えられるその日を

(詩の著作権はひろのひとみさんにあり、シェア・転載等は彼女の許可がいります。)

[読後感想対談]
  司会者、女性A、男性B

− お久しぶりにお集りくださりありがとうございます。「小さな喫茶店」シリーズにつづき、読後感想をお聞きしたいと思います。Aさんから、いかがでしょうか。

A 詩ではなく歌詞だということですが、ここでは文字のみから接するわけです。が、独立した詩としてみても比喩が現代詩風でなかなか手応えがあります。言い換えると、難解。
ただ、この方は女性で、イメージで書かれるタイプとお聞きしましたので、その辺を手がかりに詩界に分け入って行くことが出来る気がします。

B そうですね、そのためにも予め知っておいた方がいい二つの言葉について触れておきたい。
一つは3行目の「ロレンツ」ですね。アラビアが何度も出てくるので、これは明らかに「アラビアのロレンツ」のことでしょう。実在の人物で、映画化されて有名ですが、あらためて調べてみると、その天才的軍人の冷徹な強さの裏にはマゾヒズムがあって、これは強い母親に育てられたせいというんですね。(Thomas Edward Lawrence1888‐1935イギリスの探検家、考古学者、天才的な軍人)

A あら、裏ではマザコンなの?
B 末っ子以外は独身兄弟だったそうで、ホモではなかったが女嫌いだったという。

A で、もうひとつは何?d0329286_4332638.jpg
B エルドラード。これは南米の黄金文明の噂が誇張して欧州に伝わった「黄金郷」のことです。永遠に輝きを失わない世界のイメージかな。この二つが分ればかなり難解さがほぐれる。

A なるほど、アラビアの猫は、作者わたしが見ている"輝くネコ"であってもいいし、作者自身(の心)そのものであってもいい。
砂漠は不毛の地ではあるけど、それは猫の魔力で希望へと命が吹き込まれる可能性を秘めたうごめく大地でもある。"永遠の命"さえつかめればいいのだけど、星が涙であるように、つかまりそうにはない。

B 美しくも悲しく、満たされる事は無いと知りつつも、求め続ける人間の性(さが)を詠う詩です。詩の前半ではネコに託された怪しく美しい彷徨の姿が描かれ、詩の後部ではネコがいつしか、そのネコを掴もうとしている作者自身にすり代わって、ラスト・リフレインで再びネコへとフェードアウトして遠ざかる。この主体の自分と目的のネコが未分化のところがミソで、この詩を分りにくくもし、また幻想的な奥行きを与えることに成功してる気がします。

A そうね。彼女は詩人で、矛盾を超えた感性で、直感的に言葉を紡ぎ出せる素質のある方なんでしょうね。この詩は動き、流れていて、あたかも留まる場所を探している風でもあるし。

B はい。時間の言辞は重要と思います。「永遠の命を 与えられるその日」とは、安らぎや安定を意味していて、彷徨したり探したり、とは対をなす表現と考えれば、俄然詩想が見えてきます。
一度歌唱を聴いてみたいですね。

ーでは、本日はありがとうございました。「小さな喫茶店」の方もまだいくつか詩が残っていますので、その方もそのうち又…。
A 私は断然そちらがおもしろーイ。いじめがいがあるもの!
B あーあ、男どもはこれだからホモになってしまうでしょうね。(笑い)
(了)


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ひろのひとみの"世歌意"(1)プロローグ
中田虫人


ひろのさんは「ぴあのうたい」と自称する。全て仮名表記だ。これ一つとっても、実に多くを語っていることが後になってからは分かる。

シンガー・ソングライター・ピアノプレーヤーとでも言えば良いのか、つまり、自分ひとりで作詞、作曲、演奏、歌唱を全部やってしまう。
彼女はたぶん、子供の頃の習い事としてエレクトーンやピアノを、ごく普通の女の子として母親の勧めるままに身につけていった。彼女自身も親も、有名な職業ピアニストに成ることを特に夢見たのではないと思う。今の彼女と音楽のかかわりを見ていると、そんな風な想像をする。

d0329286_10493678.jpg多くの人にとって、音楽への目覚めは思春期にやってくる。この大人への入り口の、不安定な心の隙間、混乱の入り交じった情熱的な精神状態に、音楽が言いようのない刺激をともなって心の中に入り込んで居座る。

だがやがて、一部の人を残して、たいがいの人はこの時期を”卒業”して、青春時代を懐かしみながらも、それぞれの居場所で音楽を傍らていどの位置に据える。書斎に飾った好きな作家の絵を時々眺めるほどの関係とでも言おうか。これが無いから生きてゆけないわけでも、支障があるわけでもない。

ところが人によっては、これが無いと生きてはゆけないままの人がいる。芸術家の中にそんなタイプの人を時に見かける。芸術というジャンルも、しゃばの事とてそれなりに巾が広く、名誉欲、金銭欲、優越欲、仕事への充実感、生活基盤のため等いろいろな思惑がその背後に滲む。

それだけに、その魂が純粋に芸術表現のみを必要としている作品に出会うと、こちらの方も”娑婆の価値観"をひっぺがされて、心の奥に直接触れてくる彼の魂の次元に引き込まれ、金縛り状態に陥ってしまう。こうして、ぴあのうたい「ひろのひとみの世界」と他者との出会いは、忘れがたい刻印となって心の片隅に引っ掛かったまま、その解明を待つはめになる「あれは一体何だったんだろう」と。


きょうから、私の手に余ること承知の上で、彼女の歌詞を虫人の「ひろのひとみの世歌意(せかい)」"論"として掲載してみることにしました。どんな展開になるか、その本質にどこまで迫れるかは分かりませんが。

▼写真は滝町のコテージ「Non & Emi」での風景。ピアノの前に立って語りかけるひろのさん。
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今回はコメントは付け足しませんでした。
(著作権は彼女にあり、シェア・転載等は彼女の許可がいります。)

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