<   2017年 05月 ( 8 )   > この月の画像一覧

 木目が美しいケアキの胴体で、縁にはあえて赤カシでしつらえた頑丈な作りの長火鉢に対しながら、話する相手もなくただ一人、やや寂しげに座っている30前後の女、男のような立派な眉をいつ取り払ったものだろうか剃った痕が青々として、見た目にも感じさせよう雨上がりの山の色をとどめた緑の香のようで、一段とおくゆかしい。

鼻筋がツンと通っていて目尻はキリリと上がっており、洗い髪をグルグルと無造作に丸めたところへ引き裂いた和紙を巻きあしらって、一本櫛でグイと留め刺しただけという色気のない様子をつくってはいるけれど、こ憎いほど真っ黒で艶のある髪の毛からは一つ二つの乱れ髪のふさが、浅黒とはいえあか抜けた顔にかかる趣きは、年くった女は好かないという者であっても、褒めずにはおられないだろう風情に形。

自分の女なら着せてみたい好みもあるが、と好き者たちが随分と、頼まれもしないのに陰であれこれ言いそうだが、これはまた外見を捨てて堅気を自ら誇る着こなしで、衣装の柄選びさえも野暮な程にさせた二撚り糸を平織りした綿入れに繻子の襟のを着て、どこ…
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 明治22-24年ごろ幸田露伴の小説「五重塔」の冒頭を拙訳してみました。

女は大工の頭領・源太の女房。五重塔は夫が建てるものとばかり思っていたら、恩を仇で返すごとく弟子格の「のっそり十兵衛」が建ててしまう…。その間の軋轢や事件が講談師の語りのように、あるいはアーティスト職人魂がぶつかり合う心理劇、さては神仏宿る超自然のロシア文学の重厚さで、流れるような文体に乗って描かれていきます。
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 先日、船で来館の30歳のスイス人女性が、建築・美術史専攻の大学院生というので、近くの妙成寺・五重塔へも案内しました。塔を前にして私は砂利に指で絵を描きながら構造の説明をしたのですが、私の下手な仏語では肝心のところがうまく伝わらなかったらしい心残りがいつまでもありました…。で突然、今になって小説「五重塔」を読んでいないことに気がついて図書館で借り、一気によみました。

能登の語源探しで古文に接していたので、昔なら読む気さえ萎えそうな文語調を、すいすい読めて我ながらびっくり。それ以上にこの時代の”言文一致体(?)”が持つ和文独特のリズムにグイグイ引き込まれて行く魅力の体験は新鮮でした。

 ブログなど書いてますと、ついつい”見る文体”、つまり電報のような単純さや分かりやすさのみをを目指しがち。本来の日本語の持つ独特の音楽性に改めて気づかされた思いでした。


 そう言えば昔、未発見の”森の人”と呼ばれる「少数民族発見」を追うTVドキュメントがあり、タイ奥地の山中で定住しないまま原始的生活をする彼らが話す言葉を聞いた時の印象は忘れがたいものでした。

母音中心の「ホーホー」「ファーフォー」という響きが、メロディックなリズムと共に歌うように、山の緑に溶け込むような柔らかさで会話されるのです。懐かしい昔の歌を聞くように感じました…。今でもスーパーなどで買い物をする東南アジア系の若い女性たちの、母音を延ばす会話を耳にすると、つい、あの”森の人達”の歌い合うような会話を思い出して聞き入ってしまいます。

私の育った南加賀地方の方言は「のんぐり(能美郡?)」と言われるもので、田舎くさい汚い言葉とされてました。たとえば、

「あーの、みーちゃ、うーしゃ、きーた」(あの道から牛がきた)

で、「あ⤵の、み⤵ちゃ、」と言う風に、母音を延ばすごとに語尾が下がります。”森の人”の言葉は似ているのですが、上り下りがあり、区切りも長く、語尾も引き延ばされるので歌っているように聞こえました。

「五重塔」のような口語風の文語体に接すると、あたかも五七調の謡(うた)になっている感じですが、音節を数えるとそうでもありません。子音に一々母音がくっつく、もともとの日本語の特徴が自然にそうさせると言えましょう。ですから、そのルーツを考える時、母音が独特のリズムを作り出してしまうという同じ特徴のある東南アジアのどこかとは確実に繋がっているのだろう、という気がいたします。虫人

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格安スマホ移転への注意”という記事のイラストを描きました。(掲載は木曜の北陸中日新聞)

 ところが私はスマホを持たない。皆さんスマホの手を掲げて撮ってる時も、私は旧式の小型カメラを遠慮がちに突き出し「カシャリ」と音がして恥ずかしいことも。レンズがニョキリとせり出してくるタイプは衝撃に弱くてすぐ壊し、堅牢でシンプルなタイプに換え、ズームの弱さを気にしながらも「老人用はこれでなくちゃあ」とありがたく使ってました。
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だが思わぬ破損が…。耐水用にズームアップボタンをカバーしてた柔らかな表皮の部分が破れて穴空き状態に。写真は未練たらしく黄色のテープで塞いでみてますが機能せず。しかたなく同等クラスの小型カメラを2nd street から先頃買いました。

SDカード記録式なので古いカメラでも使えます。で、あちこち移動させてたら、各機に適合させるための収納用のファイルやら何やらがカード内にやたら誕生し、今撮った写真がどこに保存されたかあちこち探すあんばい…。立派なカメラで美しい写真を撮っておられる皆様からはわらわれそうでが、ともあれ時代に付いて行くのも老いの身には大変です。虫人
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[写真:散歩で大きなフグを見かけました。土日は釣り人の車が道路にずらりと並ぶ季節になりました。
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 白山はまだ雪。この前、陶器彫刻の金先生夫妻が来られたとき「あれは白山ね!」と奥様からおっしゃった。彼の国(今は北)には白頭山(ペクトゥサン)という“母なる山”があり白山には特別思い入れがありそうです。白山と言う名を広めたもともとは、遠い昔の渡来系の人たちだったかも知れない、とフト思ったりします]


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関西を中心に活動されてる画家の森本紀久子さんの東京での個展。今回のDM写真は、かつて日宣美に出品したパネル作品だそう。
「アーツ千代田 3331・アートフェア」の一環と思われます。
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金沢美大の先輩で、半世紀も前の日本でこんな絵を描く人はなく、賞を取りまくった。学生時代、北陸中日美術展(大賞受賞)の審査員だった評論家故・針生一郎氏が金沢から東京へ帰る列車にちゃっかり同行し銀座での個展戦略を練り、これも当たる。当時の先端はオプティカル・アートで、代表格のオノサトトシノブ氏が「針生さんはこんな情緒的作品を佳しとするのか」と文句をつけた一方、”芸術は爆発だ!”の岡本太郎氏からは賛辞を受けました。
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当時の日本の現代美術界は欧米に追随するほかなく、評論家の役割もその紹介が主。戦後の日本が通らねばならない道の一つで、日本の現代美術の幕開けが本格化した時期です。

森本さんは美大卒業後は高島屋デパートの宣伝部に就職し、一時広告ともかかわったが、名古屋の中日新聞本社で大規模個展をしたのもこの頃。
今の私はとても東京旅行はできないけど、彼女からは「あちこちケアしながら…元気にしてます」との添え書きがありました。虫人
▷[緋の柩]へ  ▷[「エバナタウ」の秘密]へ

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d0329286_17553492.png 常設展示してる陶彫家・金正逸(キムジョンイル)先生の奥様が、自宅玄関ロビーに、木彫りの象を中心にした”ジャングル風”ディスプレーをされていて、もっと象を集めたい意向だったので 、今日は中能登町の骨董屋さんに行ってみました。

象はありませんでしが、シカを一頭確保しました。調べてみるとブラックバックというガゼルの一種に似ています。インド、ネパール、パキスタンに棲息しているカモシカの類のようです。が、お気に召されますかどうか…。

 その帰り道、邑知潟の平野中を走る道路上にタヌキを発見。運転の野中氏が車を止め「カメラ、カメラ!」と言うので、あわてて撮ったのがこれ。全然逃げる気配がない。車が頻繁に通りとても危険なのにへん…。後ろ髪を引かれる思いで先ほど帰りました。虫人

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[田中雅紀氏ブース・ページ]
 
漫画教室はじめますよ


連休前の2日、歯科のお医者さんに待合室にポスターを貼るよう頼みました。昨日から誰かに見られているのでしょう。(田中雅紀=たなかまさき)
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[虫人の蛇足コメント]
とりあえず、教室発足おめでとうございます。
自宅でのマンツーマン授業ということでしょうか…くわしくはお電話などでコンタクトをとってみてください。

私は田中さんの仕事バリバリのころお手伝いさせていただき、目の前で仕事っぷりを拝見しています。今でこそ私もお腹にメッシュが入って身障者3級ですが、田中さんは子供の頃から手などに癒着の病気が進行して施設や病院暮らしの中、身障の身で独学で漫画家になられた。
釣がすきで、大学病院前ロータリー中にある噴水丸池で糸を垂れた子供の頃の思い出があるそう。大変な人生に思えるが当人はいささかも苦にしてる様子はなさそうで淡々としたものだ。

私より絵がうまいのだけど、ペンは赤ちゃんが大人の指を一本にぎるような形でしか持てない。当然筆圧が高くなり太い線になる。だから細い線は空中で描く。紙の角をなんとか動かせる他方の手の中指と人差し指に挟んで軽く浮かせ、宙ぶらりんで描く。これには参った。今でも彼を尊敬するゆえんです。

田中さんや、21美で展覧会中の池田学さんの仕事っぷりには心から脱帽。私ごときが隠居もせずイラスト代金を貰っているのが恥ずかしいです…。虫人


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[ギタリスト・垣田 堂氏のブースページ]

DoNote : 随想「新しい活動」


自分に似合わない事柄を、まず見極めよう、そう思った。
「消去法」と言うと何だか情けないコソコソしたやり方だが、そうでなく、本来は要らず、この半生でいっぱい抱え込んだ虚飾を排して行く、と言う事だ。

唐突だが、まずは車。
これはやはり、いっぱしの生活を実現させた人の持ち物、ステータスだろう。
しばしば、運転する自分を客観視して、「似合わないなぁ」と思う。
維持費等の問題ではなく、社会(交通の)に順応し過ぎている自分を見るからだろう。

そして、営業、または宣伝などで、小器用に立ち回る事。
これも似合わない。
しかし、この点に置いては、若干難しい判断が求められる。
なにせ、自分で売らなければ誰が売る、という状況だから。
ただこれも、アートのパワーをまだまだ信じきれず、無意識に迎合し、順応性を発揮している感が否めない。

「似合わない」を容赦しつつ生きるのは、実は簡単だが、同時に本質を見失わせる。
この状態が続くと、種々雑多な事柄が、次第に大きな心配になって、潰れるまでいかずとも、逆に活動が停滞する事になりかねないと感じる。

いささか神経質に過ぎるか、、いや、何かを創造するという仕事は、集中力の爆発がモノを言うはずだ。
(ファンではないが)故・岡本太郎先生を見よ。

語る、書くだけなら易い事で、今までは、割とそんな感じのニュアンスで満足していた。
そう思うと、やはり、クリエイティブさは、満たされない思い、飽くなき向上心から生まれるのだと直感する。
書く事、言う事と、行動が同じ歩みを始めれば、これはしめたものだ。

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追伸
度が過ぎると、映画『セブン』のジョン・ドウや、『タクシードライバー』の主人公になってしまう可能性もある。だが、共感する部分も多く、それは単にこの映画が好き、というだけの事ではないだろう。

「自分になっていく」のは、実に難しい作業だ。 4/25

■ [写真はマークさん撮影:奥様シルビアさん(クルザーでの来客)らと。スペース滝で]

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5月3日、4日、5日(金)、さんたちの舞踏等の公演が、金沢芸術村であります。

峠さんは富山県の八尾にお住まい。以前スペース滝で公演された時は富山に越されたばかりで、頭髪もしっかりありましたが、内容ともに進化されているようです。

同じく当ブログで以前で紹介の、高岡市にお住まいの山本瑞生さんが衣装を担当されてるとのこと、連休中は何かと催事多々ですが、ご覧になられては? 
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切り絵のインスタレーションの舞台の中で、ガムラン・ピアノの生演奏と舞踏、影絵による物語をお届けします。ホームページからの購入もできます!
前売り大人1000円.高校生以下500円。
金沢市民芸術村 ドラマ工房
影の色彩 ワヤンプロジェクト×peciko

舞踏公演「鉱物の夢」
空間演出 岩井美佳×舞踏 峠佑樹
 ピアノの鶴見彩さんの演奏、5月2日(火)金沢音楽堂の邦楽ホールであるらしいのですが、「公式ガイドブック」でも何時なのかは不明、9人中の6番目というのですから。
『風と緑の楽都音楽祭2017』という、すでに4月28日から金沢の中心部でやってるもので「東京2020応援文化オリンピアード認証事業」の一環というのですが、私には何がなんやら…どうなってるのやら。

 去年までやってきた「ラ・フォルジュルネ」は、フランス、鉄鋼業の衰退で寂れていたナント市の若い市長が、世界を巻き込んで市を興したコンセプトで、金沢での開催も国際的におしゃれに若返らせてくれたようで、21美とともに明日への希望をつなぐ好イベントだと思ってましたが、邦楽が無いから気にくわないと言うので県は縁を切ってしまったらしく、今年からはこれに替わったらしい。

あいかわらず金沢は ”古いのと、ローカル”、のが良いのだとのことなんでしょうかねえ…。邦楽は邦楽、洋楽は洋楽です、ファンが異いましょう。美術も現代美術はそれ、で他は他とどうして切り離してやれないのかなあ。何を、どう見ているのか知りませんが、こうごっちゃでは共倒れが心配です。
「いしかわ・金沢」と頭にうたってるのに、共催に富山や福井の名が見えるのもへんなはなし。(お金や政治力がどこかで動いているのかなあ?)…。今回の旧態然としたドタバタ劇はなんだかすっきりしませんし県民の一人として恥ずかしいです…。虫人


[追記] 連休明けの新聞報道では観客数で前回を下回る事はなくて、関係者はほっとしたとのこと。まずはよかった。でも新幹線は京都へ向かって地元工事が始まってます。北陸が素通り地にならないようにグローバルな未来志向でセンスよくお願いしたいし、そのための三県協力なら多いに結構と思います。分かりやすく、スマート(野暮ったくならないよう)な発信へ 改善努力を重ねられんことを。虫人

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[田中雅紀氏の連載マンガ]
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人生90年

私は今年73歳になりました。昔は人生50年と言ったのが、今は人生90年と言うらしい。私の両親は90歳まで生きたので、私も多分それぐらいはもつのだろうか。90歳まで生きるとすると残りは20年弱。それが長いのか短いのかは分からない。私は昨年6年間入院中だった母を見送り、自分の人生に一区切りついた感があった。そして残りの人生をどうしようか色々考えた。もらえる年金は少ないが多少蓄えがあるので、慎ましく生活すればのんびり人生をまっとうできるだろう。しかし自分は今身体も元気だし毎日をだらだら過ごしては勿体なくはないか? かと言って自分にできる事が何かあるのか‥‥?

そして突然ですが結論 !!  私は「 マンガ教室 」を開くことを決心しました!!!

私が他の人にものを教えるなどチャンチャラおかしいと自分でも思うが、そう決めたのだから、やる !! 行動すれば何かが起きる !!!

近日中にポスター兼チラシを当ブログの読者にも見ていただきたいと思っています。お楽しみに。
 田中雅紀   


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