人気ブログランキング |
お盆の少し前 
親友と再会

8月20日
  去年は会えなかったが、今年は奥様と滝町にまで来てくれた。東京から石川県への墓参の寄り道である。
親友と言う字は「親しい友」と書くが、「心友」であり「真友」の意味がある。
何かべったりの、のっぴきならぬ間柄を想像するかもしれないが、それは青春の熱い時期の一時で、あとは別の人生を歩む遠い存在の一人に過ぎないようでもある。ただ、どうしたものか、心の奥でしっくりと結びついていて、肉親や親戚のそれとは別の大切な何かのようだ。

子供の進学相談まがいの世間話などでは、「安易で確実な所より、上を狙うべき。一生の宝となる友人に出会うかもしれないから」と言うことにしている。その考えに変わりはないが、私と田村浩一氏の出合いはただの偶然で、一家の引越し先の近所にいた洟垂れ小僧のガキ友の一人だった。
d0329286_13531229.jpg
高校までは話したり遊んだりの気の合う友人で、大学は別になり、彼は文学部卒から出版社、漫画プロダクションのマネージメント、漫画配信会社の独立を経て、今は漫画家たちの印税処理という会社の後始末を継続している。お互い手術で体内に金属が入り、いろいろあるからもう会えないと思うこともあるが、飛行機とレンタカーを乗り継いでの墓参時に、ここまで足を延ばしくれるのは嬉しい

 そういえば、つい最近知り合い、一度だけ滝にお泊まりしただけの英国人パーカッショニスト、ロジャー・タナーにも、私は「グッド・フレンド」と声掛けした。彼はすぐ「good friend!」と反復したが、やや尻上がり調子にも聞こえたから、「親友」は大げさで、長い付き合いでもなく言い過ぎと思われたかもしれない。いい年齢の遅い出合いでもあり、流暢な英会話ができたわけでもなく、音信も途絶えたままだからむしろ遠い存在だろう。にも拘らず、今でもどこかで繋がっている感じがあり、滅多に遇えない”同類”に逢えた思いがしているのだ。

「親友」とは直感的で本能的に感ずる何か、の気がする。多分、同時代を生きた、滅多に逢えない似た価値観を持つ理解者同士のことかもしれない。

d0329286_10111489.jpg
上、若者たちの写真は同人誌「まんが人」と、女流漫画家の坂田靖子さんの「傑作集」の出版記念を主催した時の記念撮影(1978年、金沢市)で、田村浩一氏は左上端、まだ永井豪氏のダイナミックプロ役員をしていたかと思う。

前列右から挿絵画家の西のぼる氏、雑誌「相撲」に漫画を連載していた山中塗りの新宅かずお氏(アフロヘア)、金沢在住の漫画家で当ブログの強力協力者・田中雅紀氏(メガネ)。ほか、私や坂田靖子さんなどはトリミングで省かせていただいた(スペース滝ロビーの展示額から)。皆さん30歳代半ばの働き盛りで、今となっては貴重な写真ですね。 中田むしんど

スペース滝
925-0005 石県羽咋市滝町レ99-88 TEL; 0767-23-4401
d0329286_1128351.jpg


暑中お見舞いもうしあげます。 
暑さに負けがちです

8月18日
 日が経つのがやたら速い。9月が目の前で気がせくけど、すぐ眠気に襲われて作品作りを中断して横になって寝てしまう。制作と言ってもデバイス作りのための実験で、体力がいるわけでもないので、年相応のペースでやればいいのですが…。
この秋の一の宮地区の文化祭に特別招待されていて、去年はグラフィックの仕事展示でお茶を濁したけど、今年は本気で新作に取り組んでます。日頃、偉そうにブログでごちってる手前、手抜きはできません。

9月14日(土)「岩城宏之メモリアル・コンサート」石川県立音楽堂、ピアノの鶴見彩さんがオーケストラアンサンブル金沢と共演、「ベートーベンの第4協奏曲」をやります。
スペース滝では、その受賞祝いの宴まで張ったのですから、是非とも行かなくちゃあならない。私は神経痛との斗いになりそうですが…。「彩の会」会員のお知り合いがあれば連絡とってみてください、今のうちなら安く申し込みしていただけるみたいですよ。

d0329286_11283109.jpg
それにしてもこの頃の気象変化は身に堪えまする。台風時、お隣り志賀町では40度を超えたらしい。いい湯加減のお風呂に浸かりっぱなしの気温です。無理せず、今日は外に出て、部品探しはほどほどにして、喫茶店での甘いお菓子に熱めのカフェ・タイムで息をつくことにしましょうか。写真は「マダム・ロワイエ」にて。このイチジクは美味しかったです。さすがパリ仕込み。  中田むしんど

スペース滝
925-0005 石県羽咋市滝町レ99-88 TEL; 0767-23-4401
d0329286_1128351.jpg


[ギタリスト・垣田 堂氏のブースページ]

終わりなき芸の道


あるテレビ番組を録画した、保存盤(独断)DVDが遂に再生しなくなった。

それは、僕が文楽に親しむキッカケになった映像で、早い話が、芸事に携わる人間なら大感動必至な、凄まじいばかりのドキュメントなのだ。
タイトルは「人間国宝ふたり~文楽・終わりなき芸の道」。
人形浄瑠璃文楽の、当代の名人、人形遣いの吉田玉男と、太夫の竹本住大夫を追った番組だ。
さて大阪が生んだ人形浄瑠璃については、ここでは詳しく書かない。どうかご容赦戴きたい。

さあ、その番組に出会ったのは実に20年も前。
亡父が、愚息の興味をそそるようなものを常に保存していた。
その録画を観終わった瞬間の衝撃は忘れられない。
吉田玉男は、表情ひとつ変えずに人形を遣う。
それまでは、顔を歪めてギターを弾くミュージシャンばかりに慣れていたので、まず度肝をぬかれる。
もう一人、竹本住大夫は楽屋裏では楽しげで、お喋りも好きそうだ。
そんな二人が、ある舞台で共演する。
その模様を、素晴らしい編集で纏めたスタッフにも脱帽だ。

最初のうちは、二人に注目して繰り返し観たのだが、だんだんと、登場するもう一人の太夫の凄さが解ってくる。
住大夫の兄弟子である、四世・竹本越路大夫だ。
玉男との共演に向け、稽古を重ねるある日、住大夫は越路大夫の自宅を訪ねる。
そこで稽古をつけてもらうのだが、教える際に少し語ってみる、越路大夫の迫力たるや、引退している事がウソのようだ。
ちなみに文楽の世界は、齢50から一人前、60の声を聞き、なお芸を高めていく。

そんなこんなで、本物を観なければならなくなった僕は、地獄の(失礼)通し上演へと旅立つのだった。
演目は「義経千本桜」。
朝10:00から、夜の9:00までの大長編。
さすがに体には堪えたが、開演前、吉田玉男と竹本住大夫両人のサインも頂戴し、多少図々しい気もしたのだが、次に来られるチャンスがあるかも判らない。
そんな思いで強行した、初文楽鑑賞だった。
d0329286_18591648.jpg


そんな思い出蘇る映像が、動画サイトyoutubeに上がっていた。

NHKのサイト及び、アマゾンでもDVDが購入可能らしいが、やはり便利な時代。ついつい簡便なツールに頼ってしまう。
とは言え、お時間のある方は、ぜひ一度触れてみて欲しい。
誰に感銘を受けるかは、個々人で全く違うだろうから、聞けるものなら聞いてみたいが、それはまたいずれ。

https://youtu.be/tdZNK6lW8mc


最後に随想を。
厳密には、DVD-R(レコーダブル)の経年劣化で、機器が読み込めなくなったようだ。
VHSに比べて、ディスクメディアの脆弱である事よ。
新しい世代のミュージシャンが、アナログ盤やカセットテープで作品を発表する事も増えてきた。
なかなか面白い流れだ。
昔の芸能は、手作りの小屋で、昼は陽の光、夜は蝋燭を灯し演じられていた。音響機材はもちろん無い。
能楽の最初(猿楽)は、野っ原の舞台で舞われた。
万一時代が退化して行っても、楽々生きられる人間になりたい。


追記
車のクラクションがうるさい。
同じ道を行く子供らが、「わかってるよ!」とか、「スピード出し過ぎ!」とか言っている。
警笛より、慎重さと、思いやりの度合いを強めましょう。
我ながら小煩い爺さんになりそうで苦笑する(笑

【垣田 堂 オフィシャル・サイト】http://do-kakita.cu-tablet.com/
【ラジオ】「ギタリスト 垣田 堂のカキタイムズ」エフエムとなみ(76.9MHz)にて
 ■本放送:毎月第1、第3火曜日19:00~19:30
 □再放送:各・同週の水曜日13:30~と土曜日14:30~
 ☆インターネットラジオが便利です。http://www.fmtonami.jp

垣田 堂:ギタリスト。
 1978年、アメリカ・ニュージャージー州生。金沢市在住。
 ニューヨーク、スペイン・バルセロナでの演奏活動を経て、現在は北陸を拠点にする。

つぶやきます。 
年経っての若者


8月9日
 出入りの若者が年長になる。自分も老いるから当たり前だが、気になるのは彼らのメンタルが昔とあまり変わんないなあ、というところ。
20歳代が30半ばにもなれば、世の中が見えてきて、キャラは変わらずとも生き方ややり方に変化が出、リアリテが生まれ、将来性も現実的になってくるはずと思うのだが…。
私は口が率直な方で、言うべきことははっきり言ってるつもりだが、結果的に伝わってないなあと思うことが多い。何故なんだろう。

 自分の若いころを思うと、分からないことと、分かってても出来ないことを抱えていた気がする。分からないなら質の良い情報を探して学習すればいいが、出来ないことはどうすればいいのか。時間をかけて身につけたり、奇策(現代手法?)で引き寄せるか、それとも諦めて去るかだろう。
芸術ばたけで成功するなんぞは、他分野で成功するのと同等以上の条件と苦労が要ることは、ちょっと専門的に中を覗けばすぐ分かる。なのに、そうは踏み切れない人で溢れているように見える。どうしてなのか?

そんなのはカラスの勝手だし、人間の性(さが)だと言ってしまえばそれまでだが、中には”成功”することに固執している方もいて、それならそんなやり方ではダメでしょう、と言うのだが、ほぐれ難い自己執着があって、客観性をなくしてしまい、目標からズレた徒労をしている人も多々あるように思う。

⭐︎


d0329286_05545108.jpg
d0329286_05545910.jpg

8月11日(日)「第2回 灰かぶりWorks展」
をやるのでブログに載せて欲しい、と高明輝氏から頼まれたので掲載する。彼は第一回展をスペース滝で主催した。「灰かぶり(=シンデレラ)」というタイトルも、そんな意味では好ましくないと彼に言ってあるが、継続らしい。前回は岡田恭子さんと言う内容ある個性と表現力を持つ女性に出会えたが、今回は大半のメンバーが変る。1日だけの展示というのでご覧になりたい方はご注意。

 彼が郷里に戻り、仕事を持つ身になって時間が取れないための1日展という。それが現実であって、大人の社会人として考え、行動し、成長し、その中でこそ”現代”という内容の美術が開けてくるはず、などと私は思うのだが、納得はし難そうだ。

頭でっかちで作品が未熟なのも困るが、社会派の評論家だった針生一郎(故人)の影響を受けた、私の個人的芸術観かとも思う。だが美術家たちの環境は昔も今もそう変わりはないし、どこへ行っても事情は同じなのだから、時代に合ったそれなりのやり方や視点は必須でしょう、と言いたいのだけれど。

 参加者に「Achemist」なる5人組の映像と音楽の出品がある。これは、そんな意味での今様のスタイルの一つ=集団制作とテクノロジー、で期待できそうだ。いかほど新鮮で独創的かの完成度が見たいが、10:00am-8:00pmという長時間の平凡なライブ記録などを見させられたら幻滅だろう。

すごかった、面白かった、心に残った、と口端に上る時空間を期待するけど、果たしてどうだろうか? ーー足を運んでみてください。  中田むしんど


スペース滝
925-0005 石県羽咋市滝町レ99-88 TEL; 0767-23-4401
d0329286_1128351.jpg