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スタンドバイミー

こころの内

映画「スタンド・バイ・ミー」にこんな場面がある。

12歳の4人の少年たちが、小さな田舎町から冒険の旅に遠出した野宿の夜、コヨーテの遠吠えにおびえ、交代で番をすることになる。リーダーの"ガキ大将君"が、持ち出した父親の拳銃を手に番に立つ。"文学少年君"がうなされて目覚める。焚き火を傍らに、ふたりは深く傷ついている家族との愛情問題で心の内を吐露し合い、嗚咽する。

友情に芽生えて寄り添いあう純な少年の心に、自分自身を投影してご覧に成った方も多いかもと思う。


スタンドバイミー_d0329286_19304434.jpg 心の奥に傷を持たない人などは考えられない。それは大人に成り、老いてさえも、置かれた状況下では時に顔をのぞかせ、本人を戸惑わせることもある。

たとえば身内の通夜の席での言い争いとか、金がらみの話や生活苦、子どもへの教育方針など…ごまかしの効かない状況がそうさせる。

心の奥には、ふだん意識しない価値観が、過去の、特に子どもの頃の経験や心の傷によっているかも知れない事を、この名画は教えてくれる。

人は、場当たりで生きている訳ではないが、計算通りに成就することは少なく、なにがしかの不満の中で妥協をして何とかやってるだけのことでもある。金があろうと地位があろうと、欲望には切りはないから、これでいいなどと言う事はついに無い。



「四苦八苦」は仏教から来ている。四は「生・老・病・死」。「老病死」は苦と分るが、分らないのが「生」だ。なんで生きていることを苦と断定し得るのか、ここが、さすがブッダなのだ。生きているので苦が生じる。仏教は、生きて尚、苦の無い心になる方法を説いた。悟りの世界、解脱の世界、あらゆる執着(欲)から解放される幸福実感の人(仏=真理に目覚めた人)となるやり方を教えた。

それは宗教だが哲学でもあり、心理学的でもあり、最近の量子物理学論や宇宙論にも通ずる世界観をも含んでいるようにさえ見える。私的には、エントロピーの増大に唯一逆らう"命"というエネルギーの動き=「動的平衡」が持つ宿命的な逆いの姿にだぶって見える。生きていく事が持つ「苦」とそのふしぎさに、いとおしささえ感じてしまう。

ブッダは我々と同じ東洋人、しかも日本人に近い人だったと言わんかなのTV番組を見た事がある。まともに信じた人はないと思うけど、実はこんな話もある。人類がアフリカから世界に旅立った後、一部の人たちはインドの北(ブッダの誕生したシャカ族の地もここ)やチベットを経て、インドの東の海にあるアンダマン諸島に繁栄、さらに日本列島に来た。ハプログループDという染色体遺伝子を追跡するとそんな結果が見える。このDはさらに[D2]と変化して、日本人特有の基礎的遺伝子組成の重要な一つになった、という。3万年も前ころのことで、2500年前のお釈迦様に直にはつながりそうも無い話だけれども。

「愛」=「我欲」


受験シーズンのまっただ中である。妻子のない私だが、美大受験生をひとりあずかったので、ここの処、人並みの心配を味わっている。世の親ごさんのご苦労のほんの一部なのだと思うと、子ども達が後々までに心の深いところで持ち続ける心の傷や、親や家族の接し方の重要性に思い当たって、書いてみる気になった。

子の幸せを願わない親はいないでしょうが、一番苦しんでるのは受験生本人のはず。仏教では愛も我欲のうち。過大な期待や負担はかけ過ぎないほうがよさそう…ですね(ひとりごと)。虫人

「スタンド・バイ・ミー」(1986RCAコロンビア・ピクチャーズ)アメリカ映画

すばらしい主題歌"Stand by me"を見つけました。コピペでどうぞ:
https://www.youtube.com/watch?v=Us-TVg40ExM
https://www.youtube.com/watch?v=C0oA4w1wpqg
https://www.youtube.com/watch?v=YqB8Dm65X18
https://www.youtube.com/watch?v=T44ZC7OAXV0

そして…子役たちは大人になったが…見て!このカッコよすぎる写真!!
https://www.youtube.com/watch?v=0VaiqsJdi_0

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