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真脇遺跡すごい

高さが7m、栗の木を縦に半裁した方を外側にして10本、サークル状に建ててある。縄文期の「環状木柱列」遺跡は石川県と富山県を中心に今は20ほどが発見されている。

以前に、金沢市のチカモリ遺跡で撮ったブログ掲載の復元遺跡写真と比べると分かるが、ここ能登半島先の内浦(石川県鳳珠(ほうす)郡能登町真脇)の「真脇遺跡(まわきいせき)」の復元柱はでかい。私がちっちゃ…。(※文末註あり)
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真脇遺跡すごい_d0329286_08470510.png 真脇遺跡は縄文前期(BC5000年ごろ)から4千年間に渡って縄文人が定住していた貴重な遺跡で、低い山で囲まれたなだらかな斜傾平野盆地の一方が海に面す。イルカ漁や”縄文トーテンポール”と愛称のある彫刻柱が有名で、来訪者名簿には私たちの直前に沖縄県教育委員会の名があった。

下写真は、上方にある温泉施設のガラス越しで撮っていて、遺跡公園は土手下陰で見えない。
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ここのロビーにも拡大したレプリカが置かれているように、「お魚土器」と呼ばれるこの「真脇式土器」は遺跡シンボルの一つになっている。開口部に四カ所魚が口をあけて上を向いているようなせり上がりがある。縄文前期の物で、本物は黒く、均整がとれ、魚の頭は土器の中面にまで折れ込んで立体的に作られており、ふくよかで美しい。高さは50cmほどか。

岡本太郎をして「これは何だ!」と感嘆させたのは火焔土器(かえんどき)かと思うが、それは長野県信濃平野を中心とする遺物で、石川県では火焔土器と呼ばれる物は無い。しかし真脇遺跡縄文館で公開されている多くの実物には目を見張るものがずらりで、すごい! 行って現物を見てこそ感動する。(撮影は禁止)
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三本の柱の後に土こう墓があり、穴には板敷きの上に屈葬人骨があった。特別な人の埋葬という。
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発掘はつづいていて現場も見学出来た。
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水を多く含む黒土から色んな物が顔を覗かせ、今後も出土品が尽きなさそう。4mの地下(7千年前)からも出土し、発掘済み域は、国が買収した指定地のみでさえまだ4%程度ときいた。私有地を含めればいかばかりか、真脇おそるべし…。 (虫人)
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真脇遺跡すごい_d0329286_22115855.jpg※注:
復元の柱高は、土中から出た残根の根元から上までのテーパー(細くなる割合)で木の幹高(枝分かれ未満の有効部)を出し、それを柱高としていると聞いた。

長さを目一杯で切ったことになるが、チカモリ遺跡(金沢市)や、最初の発見地・寺地遺跡(写真=新潟県糸魚川市)の復元は短くて半端に切った感じがぬぐえない。真脇では木の芯をはずして薄めに半裁しているが、高さと地中に埋めた分で得られる掘建柱の安定性では、埋め込む深さが同じ場合、同じ底面積の丸太よりも土接触面が多くなり高く立ち得るだろう。環状聖域がここでは空を指向するように見える。寒冷化の気候変動と関連するか…。虫人


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by spaceTAKI | 2015-10-23 04:27 | ☆歴史/能登.羽咋語源 | Comments(0)