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DoNote:音楽と運動の狭間

[ギタリスト・垣田 堂氏のブースページ]

音楽と運動の狭間で

ちょっと科学(化学)、工学的なタイトルで、我ながら門外の感が拭えない(笑
さて、これは最近どうも頭にこびり付いている考えである。
せっかく書き始めた今、選挙カーが五月蝿い)

僕は、30代のアタマに、一度激しく絶望している。
20代後半の自堕落な生活を脱したものの、音楽に全く集中出来ず、人生が終わるかと思った。
そんな日が4年ほど続き、きっかけも判らず気分が一新された。
そこから、ギターのプレイスタイルは方角を変え、闇雲に弾きまくらず、無理をしないようになった。
それが今では板についてしまい、アグレッシブな曲をあまり好まず、平常心を保ったまま、音を「置いて」いくようなアプローチを模索する。

そこで少し疑問を持つようになった。
一体、音楽や、演奏をする、というのは、表現が先なのだろうか、それとも運動が先か、という一点である。
心身共に疲れ果てた先に、僕は今のスタイルを持って再出発した。
言い換えれば、どうにも諦め切れず、苦肉の策を見つけ出し(音楽)生命を繋げた。
ゲーテかニーチェか、いづれかの偉人が言った、「これが人生か、よしもう一度!」というヤツだ。
さてそれは良い、今、僕はまた何度目かの音楽的転換期におり、上記の事を日夜考え込んでいる。
それは短絡すれば、音楽狂の幸せな毎日、と言えるが、釈然とするまでは、前進の速度が遅い。
それは大変にストレスが溜まり、不満な日々だ。
かのイチローもしているではないか、現状には常に満足し、浮上する次なる課題の解決に向ける、というような発言を。

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問題に戻ると、現状まあまあ健康で、筋肉もそこそこ動くから、音楽が出るのか?
そして、その動きの精度や、あるいは強度によって音楽が決せられるのか?と思うと、何か呆気なく思え、首を傾げてしまう。
車を辞め、自転車に乗っていると、心も快活になり、体を動かす事に楽しみを覚える。
それが行き過ぎると、音楽は何処へ行くのだろう。
何度も引用するが、ボデービルを始めた三島由紀夫が、文学と行動との間にいて悩んだようなものだ。(著作「太陽と鉄」に詳しい)
厳密に、、いや単純に書けば、人力を重視したこの一年で、その思考も変わったという訳だ。
この2週間ほど、車を再購入するかを、だいぶ悩んだ。
格段に便利で、余計な時間と考え(移動工程などの)を排除出来るマイカーの魅力は大きい。
ただ、自宅前にある新しい車を想像すると、またすぐ鬱陶しくなりそうで、購入の決断には至らない。

先にも書いたが、自転車でコケたり、10年来根っこが折れている歯ではなく、そのトイメンの歯が疼いてきたり、大厄は色々ひっ被るのだ。
全く解決の陽の目は見ないが、この音楽と行動の問題も、受けて立ってみるしかない。
冒頭で、「科学か、、」と書いてみて、ここで思い当たった。
我が亡父は理系の最右翼。工学を教え、趣味か仕事かに拘らず、頭脳をフル回転させていた。
レベルは違えど、その血が発現して来たのだろう。
音楽的に響かない(聴こえない)自分のギターを常々歯痒く思っているが、それが新しいサウンドの開発に繋がるかも知れない。
そう思うと、結局何の事はない、僕はギターが好き過ぎて、クレイジーなレベルなのだ。
だが道は険しい。突き抜け切るには、どうも一生では足りなそうだ。

ps1「もう一生欲しいと思います。。」と言い切った、四代竹本越路大夫(人形浄瑠璃文楽座)の言葉が、今日はやけに刺さって来る。

ps2 本文に書いた疼く歯は、最奥の親知らずだった。
4/26抜歯式。


【垣田 堂 オフィシャル・サイト】
http://do-kakita.cu-tablet.com/<

【ラジオ】「ギタリスト 垣田 堂のカキタイムズ」エフエムとなみ(76.9MHz)にて
 ■本放送:毎月第1、3火曜日10:30
 □再放送:同週水曜日13:30、木曜日19:00
 ☆インターネットラジオが便利です。
http://www.fmtonami.jp

垣田 堂:ギタリスト。
 1978年、アメリカ・ニュージャージー州生。金沢市在住。
 ニューヨーク、スペイン・バルセロナでの演奏活動を経て、現在は北陸を拠点にする。




by spaceTAKI | 2019-04-06 09:52 | ☆垣田堂ブースページ | Comments(0)