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信越国境「境の宮」鎌打ち考 

新潟信濃の国境「戸土」から日本海・糸魚川市を遠望する。▽

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2021年11月15日(月)

歯周病ではなかった!
中田虫人 Mushind N.(Blog mgr.)


 インフルエンザの総合ワクチンを接種したころ後のこと、目尻から顎下にかけて違和感やら痛みが出るようになり、よく噛めないままの食事をするようになったのであります。虫歯か歯周病を疑って歯科に行けば、歯の病気ではないと言われ、耳鼻咽喉科に。若手の女医さん。
 私の訴え通りなら大変な病気で、目や耳の違和感は切り離し、口、それも唾液腺が菌に侵されたのだろうという。今は4日分の薬を飲んでいる最中。不調の所があると免疫力が落ちて経験してない珍しい病気になるのかもなあ。まあ、少しずつ薬が効いてるみたいでありがたいです。

「北陸文学・85号」


信越国境「境の宮」鎌打ち考 _d0329286_16345050.jpg 弟に用があったついでに、近くの中野貞司氏を訪ねました。当ブログでは佐奇森玄のペンネームで投稿をいただいたこともある金沢在住の方。で、いただいた同人誌に氏の三遍の小説などがあり、「評論・戦国時代の検証」を読まさせていただきました。
戦場に向かう前にいかにゲン担ぎを熱心にやったかがよく調べて書いてあり、百姓が下層武士として徴用されたことも書かれてます。

 かねがねの私の疑問は戦時の食料確保です。誰かが作物を生産せずば世の中が成り立たない。むしろ生活の糧を守るためにこそ領主が戦争や防衛合戦にあけくれたはずで、その挙句が「戦国時代」であります。

 ご存知のとおり、私は能登の地名語源探しで当ブログで歴史の1カテゴリーを設けていますが、いまだに手付かずで心残りのものがあります。それが「鎌打ち神事」で、この珍しい祭りの納得いく説明が見当たらないことです。

鎌打ち神事


 この神事は中能登と、新潟県と長野県の境の計5箇所が伝えられています。鎌と言っても「薙鎌(なぎがま、ないがま)」という武器の、刃部分のみで、形は、刃先と軸部の曲がり角にくびれがあり全体ではZ字形をしています。信越国境「境の宮」鎌打ち考 _d0329286_13534320.png刃が曲がらず真っ直ぐ柄に取り付けられた場合は薙刀(なぎなた)になります。信越国境のはこの形。これをタブノキ(石川県)や杉の木(信越国境・戸土の境宮諏訪社と仲又の小倉明神社で交互)の幹に刃軸を木部に差し込む形(=普通の向き)で打ち付けます。


 七尾市では刃を魚に見せた線彫刻がほどこされています。新潟県と長野県の境ある2箇所では鶏の頭を表現した複雑な形をしています。
▶️ 能登、七尾市[日室・鎌打ちの線刻怪魚]へ
▶️ 長野県茅野市[薙鎌を作るノコギリ職人]へ

通常、神社の入り口には「鳥居」がありますが、東南アジアの山岳少数民族には村のテリトリーを示す木の門に鳥の彫刻を留まらせた物がありますので、大陸から持ち込まれた風習が境界を守る意味での「鳥」として伝えられたとも考えられます。

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 この先は諏訪神社(信濃国一之宮)に行き着き、 諏訪大祭(御柱祭)では神官(居大祝)が神器の薙鎌を捧持して御神木(杉の木)に打ち込んで”国境見”を行うため、ここまでやって来ます。

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 中能登の鎌は無地ですが、鎌打神社の碑文ではかつて祭りの日に村人が鎌を持って集まった、という記述があります。ここが、北陸文学の中野さんの「戦国時代の検証」に関連した部分です。
 戦争を想定した場合、下級武士は屯田兵よろしく、日常的には百姓でして、いざとなれば武器を携えて集合せねばならない。それを神事化したものが、太平の世にはただの五穀豊穣「二百十日の台風(かぜ)避け祭り」と言われるようのみになってしまった、と私は考えるわけです。

加賀藩・前田家の祭りでは獅子舞に剣舞がつきますが、これもいざという時の実戦を祭りに託して訓練したといわれる迫真の木剣と薙刀使いの舞です。同じ発想が伺えます。

 鎌打ち神事と、諏訪大祭で行われる大木の運搬と神社境内四隅への立柱が、タテミナカタノミコト(建御名方神。古事記)の伝承がらみで遠く北陸の環状木柱列遺跡と繋がっているのではないか、という思いがあります。例えば、石川富山県境の高度木材加工技術の木組みが出た、縄文・桜町遺跡からの謎のY字型木製品と、御柱を運ぶ際に使うテコ、めどてこ(針孔梃子)と呼ばれる御柱の前後につくV字型の角(つの)のような大きな梃子(てこ)棒は、似た用途で使われた道具でははないのか?と推測したくなります。 この時代や縄文とのつながりは不明なことが多く、北陸での出来事と関連付けることも謎解きのカギの一つになると考えています。

気がかり事ではありますが、病院通いの多くなった我が身では遠出もできず、いづれ興味を持ったどなたか後継者が明らかにしてくれれば嬉しいなあ、と期待している昨今です。

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[参考]
諏訪大社の祭神は建御名方神と妃・八坂刀売神で、他の諏訪神社も主祭神とする。諏訪大社より祭神を勧請する際には薙鎌に神霊が移され、各神社ではこれを神体とする。中世には狩猟神事を行っており、狩猟、漁業を守護するとしており、訪大社の山神としての性格を表す。諏訪大社では6年に一度、御柱と呼ばれる4本の杭を立てる御柱祭が行われる。(ネット情報から)

 
スペース滝
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